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ソフトバンクの米3位キャリア買収、合意へ

2013年06月12日 07時00分更新

文● 加藤宏之(HEW)/アスキークラウド

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 ソフトバンクは11日、米第3位のキャリア、スプリント・ネクステル(Sprint Nextel)の戦略的買収(子会社化)について、取引内容の一部を変更し、スプリントとの合意を発表した。スプリントも現地時間10日に、特別委員会と取締役会が全会一致で改正合併契約を承認したと発表。最終的には、7月上旬に取引が完了する見込みだ。

 ソフトバンクによるスプリントの買収は、2012年から噂されていたが、同年10月にソフトバンクは、スプリントの事業に対して約201億米ドルの投資を行うことについて、最終的な合意に至ったと正式発表。その後、ソフトバンクは買収に向けた資金調達に動いたほか、対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)や連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)をはじめ、関係各機関との調整・協議を進めてきた。

 しかし、両社の間に米衛星放送ディッシュ・ネットワーク(DISH Network)が割って入ってきた。13年4月にソフトバンクに対抗し、約255億米ドルでスプリントに買収を提案。また、米高速無線通信クリアワイヤの買収に動いていたスプリントに対しても、5月にクリアワイヤの買収提示額を引き上げて対抗していた。

 今回、ソフトバンクのスプリント買収が決定的となった背景として、ソフトバンクが投資する総額を約201億米ドルから約216億米ドル(1米ドル=82.2円で約1.8兆円相当)へと15億米ドル増加するなど、取引の一部を変更した影響が大きいとみられている。12年10月にスプリント買収を発表した際には、累計契約数で日米最大級の顧客基盤の確立を誇っていたが、その目標はここへきてようやく成就しそうだ。

softbank sprint

2012年10月にスプリント買収を発表した当時の報道資料(累計契約数)

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