新アーキテクチャー採用のBay Trail
最後はAtomベースのスマートフォン/タブレット向け製品の話だ。173回でも紹介したとおり、32nmプロセスを利用したClover TrailことZ2760、及びMedfieldことZ2460/Z2580は色々ありながらも2012年中に発表され、搭載製品の発売も開始された。ところがZ2460は言ってみればメインストリーム向けであり、低価格向けにはややそぐわない構成だった。そこで、途上国向けにより安価な構成を可能にする製品としてZ2420が発表された。
これにHSPA+に対応したXMM6265という無線チップを組み合わせてスマートフォンが構成できる。そしてメインストリーム向けにZ2480とZ2580、低価格向けにZ2420が揃ったところで、次は22nm世代になることが明らかにされた。
一方タブレット向けは、現在Clover TrailのZ2760が投入されているわけだが、これに加えて今年末にはBay Trailが投入されることが明らかにされた。もっともBay Trailに関しても性能が2倍でクアッドコア構成、という以上の話はなかったりする。このBay Trail世代ではついにOut-of-Order構成※1の新しいAtomアーキテクチャーが投入される、というのがもっぱらの予測であるが、これが当たっているかどうかはもうしばらくしないと明確にならなさそうだ。
※1 効率を上げるために、複数の命令を順序に関係なく次々と処理すること。
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