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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第207回

低消費電力に注力する2015年までのインテルロードマップ

2013年06月17日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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 今回は、インテルの長期にわたるロードマップをご紹介する。ただ最初にお断りするが、今回のロードマップはいつもにも増して確度が低い。COMPUTEXの機会にいくつかの情報を収集できたのだが、全部あわせると話が綺麗に食い違っており、何がなにやらという感じではある。それでも無理やり辻褄をあわせたのが下のロードマップである。

図1 2015年までのインテルロードマップ

 図1は2013年から2015年にかけての、インテルが提供するCPUのプロセスと対応するメモリーについてまとめたものである。

サーバー向けは
Ivy Bridge-EP/EXに置き換え

 ではサーバー向けから説明しよう。現在はSandy Bridge-EP/EXがラインナップされているが、今年後半にはIvy Bridge-EP/EXに置き換えられる。こちらは既存のLGA 2011を継承するもので、当然ながらDDR3対応である。

 続く2014年が実はわからない。以前の話では、このマーケットにHaswell-EP/EXを投入するという話であった。こちらはLGA 2013という新しいパッケージになり、プロセスはIvy Bridgeに使われていたP1270からHaswellで採用されたP1270の派生版(図では便宜上、P1270 v2としているが正式名称は不明)に切り替え、さらにDDR4メモリーに対応するというものだ。

 ただ、これをやるのかどうかがハッキリしない。というのは、Haswell-EP/EXを飛ばして2015年にBroadwellベースに移行するという話があるからだ。もっともこのBroadwellは、モバイル向けに投入するBroadwellとコアは同じだがプロセスが異なる、ある意味かなり別製品となる。したがって、図の中では破線で表している。

デスクトップ向けは
Broadwellを飛ばしてSkylakeを投入

 ここからはデスクトップの話だ。まずハイエンド向けに関しては、サーバー向けのIvy Bridge-EPと同じタイミングでIvy Bridge-Eを投入する。これはほぼ間違いない。しかし、この後継のHaswell-Eが2014年中に出てくるかどうかは、いまだ明確ではない。2015年には14nmのP1273に移ることは間違いないようで、これに合わせてBroadwell-Eを投入すると見られている。

 次はデスクトップのメインストリーム。現在はHaswellが投入されているわけだが、2014年のデスクトップ向けは、14nmプロセスのBroadwellではなく、Haswell-Refreshになるのが確実になってきた。もちろん全SKUがHaswell-Refreshになるではなく、NUC(Next Unit of Computing)あるいはAIO(All In One PC)向けに関しては、一部Broadwellが採用される模様だが、これはモバイル向けからの転用であり、正確な意味ではデスクトップ向けとは言いにくい。

 デスクトップでBroadwellが使用されないのは、P1272のプロセスの方向性が変わったことに起因する。これについては後述する。

 そして2015年度は、モバイルとタイミングを合わせるようにSkylakeを投入すると見られる。要するにBroadwellは完全にスキップされる形だ。これに続くSkymontに関しても、実はデスクトップ向けにどこまで投入するか不明である。

モバイル向けは
BroadwellとAirmontを投入

 最後がモバイル。今年はHaswellを投入したが、これに続き2014年にはBroadwellを投入する。このBroadwellだが、Haswellと比較して性能向上はそれほど期待できそうにない。ただし動作時の消費電力をさらに低減する方向で改善する見込みである。

 BroadwellではDDR4のサポートを見送り、DDR3L/DDR3L-RSに加えDDR3Uのサポートを追加する程度に留まりそうだ。2015年にはSkylakeが登場するが、こちらは消費電力をBroadwellと同程度に抑えながら性能を改善する方向になると見られる。

 その下にAtom系列のコアがあるが、現在はCedarviewから一部32nmプロセスのSilvermontに切り替わっている最中である。これが2014年(ものによっては2013年末)に、22nmプロセスでOut-of-Orderを実装した新AtomコアのAirmontに切り替わる。

 プロセッサーブランドもAtomに加え、Pentium/Celeronとしてリリースすることになっており、AMDのJaguarコアベースの「Kabini/Temash」と一騎打ちをすることになるだろう。もっともこのAirmont世代に関しては、メモリーのサポートは引き続きDDR3ベース。こちらではDDR3/DDR3L/DDR3L-RSに加えてLPDDR3のサポートが行なわれる程度。DDR4への移行は2015年になると見られる。

 ただこの2015年の製品がよくわからない。コアそのものはAirmontと同じで、搭載するメモリーコントローラーをDDR4/LPDDR4対応にしたものを搭載する、というのがもっぱらの噂である。

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