コード名「Wayne」こと「Tegra 4」が登場
既報のとおり、NVIDIAはCES 2013に合わせて、コード名「Wayne」と呼ばれていた新モバイルプロセッサー「Tegra 4」と、Tegra 4を搭載した携帯ゲーム機「Project SHIELD」を発表した。
NVIDIAにてテクニカルマーケティングディレクターを担当するニック・スタム(Nick Stam)氏、トム・ピーターセン(Tom Petersen)氏に、Tegra 4とSHIELDについて話を聞いた。
Tegra 4は何が変わったのか?
Tegra 4はどこが強化されているのだろう? まず現行世代である「Tegra 3」は、4コアのARM「Cortex-A9」CPUと、12コアのGPUを搭載している。これがTegra 4では同じ4コアながら、「Cortex-A15」CPUへと進化している。GPUも72コアと、シェーダープロセッサーの数では6倍に増加した。
ちなみに4コアと言っても、これまたTegra 3同様に、低クロック動作用の「コンパニオンコア」も内蔵されている。そのため搭載CPUの数で言うなら5つある。コンパニオンコアは他の4コアとは同時に動作せず、システムが自動的に切り替える。だからNVIDIAでは「4+1」と称しているわけだ。
一方で、GPU性能は6倍の向上と、コア数増加分だけのパワーアップである。明言はしなかったものの、GPU自体のアーキテクチャーは同じものと思われる。GPUコア数の増加を実現しているのが、製造プロセスの変更だ。Tegra 3の40nmから28nmへと微細化されたことで、ダイ面積の増大を抑えながら性能を向上している。
Tegra 4では実効消費電力も低減された。28nmプロセスでの製造とCortex-A15の採用、そして液晶バックライトを表示に合わせて制御する「PRISM 2D Displayテクノロジー」により、対Tegra 3比で最大45%の消費電力を削減できるという。メモリーとして消費電力の少ない「LPDDR3」に対応しているので、これも消費電力削減に寄与する。
一方で、Tegra 4の性能に関する情報は、今のところあまり開示されていない。2011年にTegra 3(コード名はKal-El)を予告した際に公開されたロードマップを見る限り、Tegra 4はTegra 3よりも2倍速いことになっている。しかし、今のところTegra 4の性能については、「ウェブブラウジングにかかる時間が他のモバイルプロセッサーよりも速い」という、高性能重視の製品らしくない説明にとどまっている。
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