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最新スマホも続々登場! Mobile World Congress 2013レポ ― 第11回

次のハイエンドスマホに載る!? NVIDIAがTegra 4の概要公開

2013年02月26日 21時00分更新

文● 塩田紳二

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 NVIDIAは、MWC 2013に先立ち、今年1月のInternational CES 2013で発表した「Tegra 4」「Tegra 4i」などの情報を公開した。

Tegra 4(左)とTegra 4i(右)のプロトタイプ基板。中央付近の大きなデバイスが、Tegra 4とTegra 4i本体。上にあるのがメモリで、Tegra4はその上のベースバンドチップなどがあるが、Tegra4iのほうはわずかな部品のみになっている

さらに機能強化された「Tegra 4」
下位でLTEモデム内蔵の「Tegra 4i」

 Tegra 4は、CPUコアにARMのCortex-A15を搭載したアプリケーションプロセッサーである。かつて発表されたTegraシリーズのロードマップでは“Wayne”と呼ばれていた。

 これに対して、Tegra 4iはCPUにTegra 3と同じCortex-A9を搭載する一方、LTEモデムを統合したモバイル用プロセッサーだ。こちらには、”Gray”というコードネームがつけられているが、2010年に公開されたロードマップには載っていなかったものだ。ただTegra 3のときから、LTEモデムを統合するのではという情報はあった。

 Tegra 4は、高性能なA15プロセッサーを4つ搭載し、さらに低消費電力化用のA15プロセッサを持つ「4+1」構成を継承している。この「4+1」構成はTegra 3と同じだ。

 前半の4プロセッサー部分は高い性能を持つとともに、SoCとしてビデオや音楽などの再生専用プロセッサーを内部に持つため、メディアの再生中などは、電力消費を抑えることが可能だ。一方、負荷が高くないときは、消費電力の低い5番目のコアが低い周波数、低い電源電圧で動作するため、消費電力を抑えることが可能になっている。

 今回、NVIDIAは、低消費電力のデモを行ったが、それはビデオ再生時のもの。スマートフォンではビデオ再生は全画面を使うため、他のプロセスはほとんど止まってしまう。このため、システムの消費電力はかなり小さくなっていた。

Tegra 4の低消費電力のデモ。横にあるテスターは電流の表示で、デモ中には200mA程度(写真の表示は、0.8A=800mA)にまで下がっていた

Tegra 4/4iともにGPU部分は大幅に強化

 また、GPU側が大きく強化されたのもTegra 4シリーズの特徴の1つ。これまで12個だったGPU内部のシェーダーユニット(Tegra 3ではピクセル処理用が8つ、頂点処理用が4つ)を72個(Tegra4)、60個(Tegra4i)にまで増やした。これにより、他社に劣る部分があったグラフィックス性能も大幅に強化した。

Tegra4のGPU部分。頂点処理ユニット(Vertex)は6組(24ユニット)、ピクセルシェーダーは、4組(48ユニット)ある

 Tegra 4iは、LTEモデムを統合し、基板上で占める面積(フットプリント)を大きく削減できる。採用されているプロセッサコアのアーキテクチャは、Tegra 3と同じくCortex-A9だが内部が改良されたR4版を採用したという。

 Tegra 3につかわれていたCortex-A9はR2版で、Tegra 4iのR4はTLB(仮想記憶のアドレス変換を高速化する機構)を増量するなどして強化し、さらにプロセスの微細化(Tegra 4シリーズは28nm。Tegra3は40nm)によりクロック周波数を上げ、高速化を達成している。アーキテクチャ、つまりソフトウェア側からみた挙動は同じものの、性能が向上している。また、GPU部分も強化されているため、Tegra 4シリーズとしたのだと考えられる。

 なお、Tegra 4iのGPUのシェーダーユニットの数は60だが、これは頂点処理用のユニットが減らされていて、ピクセル処理用のユニットの数はTegra 4もTegra 4iも同じだという。TegraシリーズのGPUは、レンダリングまでをパイプラインで行なう関係で、メモリから読み出した頂点データは頂点処理ユニットを通ってからピクセルシェーダー(ピクセル処理ユニット)へ入る。

Tegra4iのGPU。こちらは、頂点処理ユニットが3組(12ユニット)、ピクセル処理ユニットは2組(48ユニット)ある
Tegra 4とTegra4i。CPUコアの違いとシェーダーユニットの数などが違う。また、Tegra 4iのほうはLTEモデムを統合している

 このため、メモリアクセスに十分な帯域がないと、頂点処理ユニットが数多くあってもそれを“埋める”ことができないからだとする。これに対してピクセルシェーダー部分は、ユニット数は同じだが、L1キャッシュを共有するグループが4つ(Tegra 4の場合)から2つに変更されている。L1キャッシュに入れば、ピクセルシェーダーは最大効率で動作できるが、L1キャッシュを埋めるためにはメモリアクセスが必要になるため、メモリ負荷を下げるためにこのような構成になったと思われる。

 また、同社は、Tegra4、Tegra4iを使ったスマートフォン用のプロトタイプ基板も公開した。これを見ると、たしかにTegra 4iは、ベースバンド(通信処理を行う部分)がなく、基板上の部品点数も減っている。

 Tegra 4は、Tegra 3同様にスマートフォン向け/タブレット向けのSKUがあるということだ。Tegra 3ではスマートフォン用の最大クロック周波数を下げ、最大発熱量を抑えていた。Tegra 4も同様の構成になると思われる。なお、Tegra 4iはフットプリントが重要になるスマートフォンでの利用を想定している。

Tegra4iを搭載したスマートフォンのプロトタイプ。グラフィックスも強化されているので、リアリティーの高いゲームが実行できるという

 なお、Tegra 4を採用した端末メーカーはすでに何社かあり、会期中に発表が行われる予定だという。


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