複数のデバイスを1契約で安く使いたい!
ユーザーがMVNOへ求めているものは、低価格という点が最も多いと思われるが、さらにプラスして複数SIMの利用が可能なサービスも人気を集めている。
b-mobileの「PairGB SIM」やIIJ「mio高速モバイル/D」のファミリーシェア1GBプランは、複数のSIMが提供され、複数の端末で同時利用できるほか、1ヵ月の通信量が低く抑えられていることもあって月額約3000円で利用できる。
このタイプのSIMの利用法は、たとえばメインはモバイルルーターとして利用し、サブとしてタブレットにSIMを挿入。普段は外で使うが、帰宅後や休日のみ家の中で使う、というような場合に有効だ。もちろん1枚だけしか使わない運用でもよく、格安な通信サービスとして利用しても構わない。
上記のサービスは価格と提供条件だけ見ればどちらも一長一短。IIJmioは端末が3台までと多いが1GB/月までの通信量制限は若干苦しいかもしれない。あまり使わないけれど通信回線があると安心、といった用途にはいいだろう。ただし、もし1GB制限を超えたとしても通信できなくなるわけではなく、追加クーポンを購入して上限量を増やすか、128kbpsの通信で我慢すればいい。
PairGB SIMはSIMが2枚でもよく、容量を超えた場合に追加チャージまでは通信が止まっても大丈夫、というなら選択の価値がある。1GBでは苦しいが、2GBあればなんとかなるというユーザーならこちらを選ぶとよさそうだ。
とにかく安く通信回線を確保したい!
最後に、とにかく安く通信回線を利用したいユーザーには月額1000円以下のサービスがおすすめだ。どちらも通信速度が大幅に絞られており、高速通信オプションを使わなければLTEサービスの意味はまったくないが、普段は利用しないが非常用回線として確保したい、または(3G回線内蔵のクラウドサービス対応フォトフレームなど)低速かつ低容量で構わないので細々と通信したいという場合に有効だ。
用途を踏まえて最適なサービスを選べる時代に
MVNOのサービスは各社がさまざま趣向を凝らして独特のサービスを展開している。従来はただ安いことだけに目が行っていたが、複数SIMが使えるサービスや、制限付きでとにかく格安なサービスなど、選び方次第でたいへん有効となる可能性もある。
一方で本家のサービスも負けてはいない。ドコモの場合は指定パケットサービスに加入した音声回線が別にあれば料金が大幅に割り引かれる。端末の調達という面でもドコモなら面倒がないかもしれない。
とはいうものの、今回、筆者が選びたいサービスは、通信容量を月間2GBに抑えられるなら「PairGB SIM」、1GBに抑えられるなら「IIJmio高速モバイル/D ファミリーシェア1GBプラン」の2つを挙げたい。どちらも長期契約などがない点も特徴で、新サービスが出れば乗り換えやすい点も評価したい。
ぜひ、自分の用途を把握し、ぴったりのサービスを選んでほしい。
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