クアルコム「Snapdragon」、Ti「OMAP」、Nvidia「Tegra」、Samsung、ST-Ericsson、ルネサスエレクトロニクス、そしてアップル「A5」……とスマートフォン/タブレット用のARM系プロセッサーは、端末自体の市場拡大とともに性能競争は激しくなる一方だ。
そんな状況にも関わらず、相変わらず影が薄いのがインテルだ。ARMとx86では根本的にアーキテクチャーが異なるとはいえ、モバイル業界に食い込めていない状況には長らく変化がない。
とはいえ、もちろんインテルも歩みを止めているわけではない。MWCの会期中には同社社長兼CEOのポール・オッテリーニ氏みずから基調講演を実施。「Medfield」のコードネームで呼ばれていたAtomベースのSoC「Atom Z2460」の動作クロックを2GHzにまで向上させるとともに、2013年にはAtom Z2460の2倍の性能を持ち、LTEへの対応も可能な「Atom Z2580」をリリースすると発表。さらに「Atom Z2000」という廉価版も投入する。
インテル製SoC搭載端末でのパートナーでは、1月のCESの時点で公表されたモトローラ・モビリティとレノボに、今回のMWCでZTE、Orange(フランスの通信キャリア)、Lava International(インドのメーカー)の3社が加わった。
しかし、今回のMWCでは上記のメーカーのブースも含めて、目立った展示はなし。インテルのブースは、CESの際と同様のレファレンスモデルとレノボ製端末が用意されていたが(OrangeとLavaの端末はレファレンスモデルとの違いがよくわからなかった)、注目度は決して高くなかった。
ARM陣営はWindows 8という武器を得て、さらに強くPC界に侵攻してくることが予想できる。スマートフォンの1ユーザーとしては、より高性能(で省電力)な端末が入手できればそれでいいのも確かなので、インテルの頑張りにより、さらなる性能競争が発生することを期待したい。
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