KAOSSILATORはモデリング、iKaossilatorはPCM
―― KAOSSILATORのユーザーは、iKaossilatorが出て、あまりの安さにしょげかえっているかもしれません。まず「KAOSSILATOR」と「iKaossilator」の違いを教えて下さい。
坂巻 全然違うものですから、両方持っていた方がいいですよ。技術的な話をすれば、レコーダーがイベントベースかオーディオベースかということですね。iKaossilatorはイベントベースなんです。
―― なるほど。タッチした軌跡をデータとして持っているということですね。
坂巻 で、KAOSSILATORの方は音源がモデリングベースなんです。あれはRADIASとかmicroKORG XLのような、モデリングシンセのエンジンが入っている感じなんです。だから、かなりパワフルなシンセなんですが、iKaossilatorはPCMを再生していて、それでドラムの音なんかはリアルに鳴ってくれるんですけど。
―― iKaossilatorはPCMなんですか? にしてはいい音ですよねえ。
井上 ええ、全部PCMですよ。音源方式が思いっきり違うので、まあよく作ったなと思いますね。
坂巻 まあKORGが本気を出すと、方法は関係なくいい音が出るんですね。金森(与明)さんや大田(祐樹)さんが作ってますから※。
※ KORGの数多くの製品開発や音色チューニングを手がける敏腕エンジニア。
―― なるほど、恐れ入りました。それにしてもアプリのサイズが小さいですね。
井上 20MB以下にしないと3G回線では落とせないオプションになってしまうので。まあ細かい話ですけど。
―― いえ、そのおかげで出先でダウンロードして即、使い始めましたから。そんな楽器あんまりないと思うんですけど。
坂巻 だから面白いですよ、僕らはM3に出展したんですけど※、説明するとその場で買ってくれる人がいるんですよ。
※ 音楽中心の同人即売会(フリーマーケット)。KORGは企業としてM3-2011秋(2011年10月30日)に参加している
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