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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第113回

iPolysix開発者インタビュー前編

あの「Polysix」が30年の時を経てiPadアプリに

2013年02月02日 12時00分更新

文● 四本淑三

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コルグ「iPolysix」開発チームの方々。左から井上氏、福田氏、中島氏

 KORGの「iPolysix」は、1981年発売のアナログ・ポリフォニック・シンセサイザー「Polysix」を模して作られた、同社最新のiPadアプリ。完成度の高さはもちろん、音楽制作ツールとしてのiOSの行方を占う上でも見逃せない存在だ。

KORG iPolysix App
価格2,600円 作者KORG INC.
バージョン1.1.1 ファイル容量31.9 MB
カテゴリーミュージック ユーザーの評価(4.5)
対応デバイスiPad 2 Wi-Fi+3G / iPad 2 Wi-Fi / iPad Wi-Fi+3G / iPad Wi-Fi 対応OSiOS 4.0以降

 iPolysixの原型となったPolysixは、低価格と厚いパッドサウンド(包み込むような和音の持続音)で当時人気を博した。かの時代、低価格シンセサイザーといえばモノフォニック、つまり和音は弾けないというのが当たり前。和音が弾けるポリフォニック・シンセサイザーはまだわずかで、価格も100万円前後と一般的なユーザーには高嶺の花だった。

 その当時のポリフォニック・シンセサイザーの代表格は、70年代の終わりに登場したSequential Circuits社の「Prophet-5」。優れた音色だけでなく、プログラマブルで音色メモリーを備えるなど、演奏性の高さからプロのシンセサイザープレイヤーには人気が高かった。そのProphet-5の同時発音数5音に対し、1音多い同時発音数6音で登場したのがPolysixだったのである。

オリジナルのPolysixの画像をフィーチャーしたiPolysixのスタートアップ画面

 Polysixは、1VCO+サブ・オシレーター、VCF、1EGというシンプルな構成だったが、すべてのつまみがパネル面に並んでいるため、構成が把握しやすく、エディットが容易。音色メモリーも備え、カセットテープ・インターフェース(!)でデータの保存が可能。そしてフェイザーやコーラスといった、当時の常用エフェクトを内蔵する実践的内容で、24万8000円と安かった。

iPolysixのメイン画面。オリジナルとの縦横比率の違いからパネルレイアウトは変更されている。

 その結果、Polysixは世界中で大ヒットとなり、多くのミュージシャンに愛用された。日本の「POLYSICS」というグループの名前は、このシンセにちなんだものだ。

 こうした往年のシンセサイザーをアプリ化するのは、もはやKORGの得意技と言える。すでに発売されているアプリにはKORG往年の名機「MS-20」をiPadアプリ化した「iMS-20」もあり、ディテールにこだわったマニアック度では、iPolysix以上のものがある。ただ、原型となったMS-20がモノフォニック・シンセサイザーだったこと、そしてパッチケーブルによる音作りなど、初心者には敷居が高い部分があるのも否めない。

 それに比べるとiPolysixは和音が鳴る上に、シンセサイザーとしての構成もシンプルで、初心者にも扱いやすい。そして単にレトロな雰囲気を楽しめるだけでなく、このアプリひとつでアナログサウンドを駆使した音楽が作れるのも魅力。敷居は低いが、今までよりも作曲ツールとしての魅力は高く、音も刺激的だ。

 このiPolysixの基本的な機能を紹介しながら、KORG開発チーム(株式会社コルグ 開発部 iPolysix開発チーム・リーダー中島啓氏、同開発部 福田大徳氏、井上和士氏)にこのアプリが開発された経過や、今後の展開についてうかがっていこう。



ゲーム音楽家ヨナオ ケイシ氏によるiPolysixのデモ曲「 Q.E.Dub」



iPolysixの美味しいところを目一杯使ったmryat氏による「Shima-Nagashi(iPolysix Dubstep)」

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