今回は久しぶりにロードマップに話を戻し、AMDのロードマップアップデートをお届けしたい。まず今週は4ヵ月ぶりのデスクトップ向けロードマップである。
32nm SOIプロセスの歩留まりは今だ不十分
プロセスの改善による製品は先送り
ご存知のとおり、「Llano」アーキテクチャーを搭載した「Huskey」ベースの「AMD A」シリーズと「AMD E」シリーズが、2011年7月~9月にかけてまず出荷された。ついで「Bulldozer」アーキテクチャーを搭載した「Zambezi」コアの「AMD FX」が、2011年10月~11月に出荷を開始した。一応これで2011年内予定のAMDプロセッサー製品はすべて登場したことになる。
残っているものは、モバイル向けの「Radeon HD 7000」シリーズが、おそらく年内に発表と一部出荷を開始するだろうが、こちらはモバイル向けGPUだから直接的にはOEM供給のみだし、数量もそれほど多くはないだろう。
問題はこの先である。AMD、というか製造を担当するGLOBALFOUNDRIES社の32nm SOIプロセスは、ある程度の歩留まりは確保しているものの、決してまだ満足いくレベルではないようだ。そのため、一番数が出る(そして利益率も低くない)AMD Aシリーズが、世界的な品不足に陥っている。これに輪をかけているのが、同じく32nm SOIを使うAMD FXシリーズである。こちらはダイサイズも大きいから、さらに32nm SOIプロセスでの製造に負担をかけることになる。
この結果として、当初はもう少し早めに予定されていたプロセスの熟成による低消費電力化や、動作周波数の向上といった作業はすべて後送りになってしまった。年内は歩留まりのさらなる向上による生産能力向上が、主要なテーマに切り替わったようである。
とはいえ、このままAMDが何もしないわけではなく、例えばAMD FXであれば「FX-8170」とか「FX-6120」、「FX-4120」といった、若干動作周波数を引き上げた製品も予定されている。ロードマップ図では省いたが、「FX-8120」相当ながらTDPを95Wまで下げた製品なども考慮されているようだ。
ただしこれらはあくまでプロセスの熟成がうまくいくかどうかにかかっている。AMDは次世代製品でも引き続き32nm SOIを使う予定なので、プロセスは熟成させる必要があるし、実際に作業しているとは思う。だが、短期的には歩留まりの向上が急務であろう。
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