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動作速度の向上を徹底チェック!

Parallels 6を選ぶ6つの理由

2010年12月14日 20時30分更新

文● 田中俊光

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4.iPhoneでWindowsをリモートコントロール

 最新版には、iPhone/iPad用アプリ「Parallels Mobile」(無料)を使って、仮想マシンのWindows環境を操作するというユニークな機能がある。非力なiPhone/iPadでWindowsが実用的な速度で動作するのか?──と疑問に思うかもしれないが、これは、iPhone/iPadに仮想マシンを直接構築するわけではなく、Macの仮想マシンの画面をネットワーク経由で表示して、間接的に操作するもの。Windows自体はMacで動作しているので、iPhone/iPadのパワー不足が問題になることはない。パフォーマンスは通信回線の速度に依存するため、3G回線よりもWi-Fi回線での利用がお勧めだ。

Macで実行中のWindowsの画面がiOSデバイスに表示され、離れた場所からWindowsを操作できる。高速なWi-Fi環境があればタイムラグもそれほど気にならない。通信は米パラレルス社のサーバーを経由する方法のほか、双方が同一ネットワーク内にあれば直接通信することも可能だ

 従来版のParallels Mobileは、仮想マシンの起動/停止とWindowsの画面表示のみが可能だったが、最新版ではWindowsの操作に対応し、iPadの広い画面でも使えるようになった。外出先でWindows環境にあるファイルが必要になったとき、iPhoneやiPadからParallelsが起動しているMacにアクセスし、ファイルを表示したり、その場で編集したりできる。

ParallelsのWindows環境でExcel書類を開き、iPadで表示させたところ。Aeroインターフェースは使用できないため表示スタイルは「Windowsベーシック」に変更されるが、画面の広いiPadではMacとほぼ同じ閲覧性をキープしている。文字やグラフなどのレイアウトが崩れることもない

iOSデバイスから文字入力も可能だ。1文字入力するたびに通信するため少々もたつくが、ちょっとした入力であれば対応できる

 このほか、Internet ExplorerをParallels Mobile経由で利用すれば、iPhone/iPadのSafariで表示できないFlashを使用したウェブサイトも閲覧できる。

iOSデバイスだと正しく表示されないFlashコンテンツを含むサイトも、Parallels Mobileなら閲覧できる。なお、サウンド送信には対応していないため、動画共有サイトの視聴には不向きだ

 回線状況によって多少もたつくこともあり、本格的なファイルの編集には向かないが、用途を限れば非常に便利な機能だ。

Boot Campやほかの仮想化ソフトから簡単に移行

 すでにBoot Campを使っている場合でも、Parallelsを利用する際に、Windowsの再インストールは不要だ。Boot CampのWindows環境を読み込んで、仮想マシンとして起動できる。この場合、スナップショット/アンドゥディスク、暗号化などの一部機能が利用できないという制限があるものの、1本のWindowsライセンスをBoot Campと仮想マシンの両方で使い分けられる。

 Boot Campの使用をやめて、全面的にParallelsに移行したいなら、Boot Camp領域のWindowsをParallelsに直接インポートしよう。同様に、他社製の仮想化ソフトやPCにインストール済みのWindows環境も、簡単に移行できる。

移行機能の「Parallels Transporter」を使えば、ネットワーク経由で実際のWindowsマシン(PC)から、Windows環境をMacのParallels用仮想マシンへ簡単に移行できる

 なお、環境の移行後にWindowsや一部ソフトの再認証、デバイスドライバーの再インストールが必要になる場合がある。また、メーカー製パソコンにプリインストールされたWindowsはライセンス上移行できない。

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