「Parallels Desktop」の最新版は、動作速度が大きく向上したほか、iPhoneからの遠隔操作といった新機能が盛りだくさん。バージョン「6」にちなんで、その魅力を6つのポイントから紹介しよう。
1.動作速度が大幅にアップ! Windowsがサクサク動く!!
米パラレルス社の仮想化ソフト「Parallels Desktop 6 for Mac」では、まず動作速度の向上に注目したい。従来版では、64ビット動作のゲストOSをサポートしていたものの、仮想化エンジン自体は32ビット動作だった。しかし、最新版では仮想化エンジンそのものが64ビットCPUにネイティブ対応し、全体的な性能向上に貢献している。
【SPEC】 Parallels Desktop 6 for Mac 開発元●米パラレルス社 販売元●ラネクシー(株) 価格●1万1500円(通常版)、8500円(ダウンロード版)、7800円(特別優待版) |
ディスク性能の向上もポイントだ。仮想ハードディスクの接続インターフェースとして、SATA接続がサポートされたことにより、ハードディスクの読み書き速度が大幅にアップ。仮想マシンではキャッシュが有効に働くためディスク性能においては実環境よりいい値が出る傾向もある。特に大きなファイルを読み書きする際のシーケンシャルアクセスが顕著で、1GBのファイルコピーはBoot Camp環境を大きく上回る結果だ。
ディスク性能の向上は、Windowsの起動時間短縮にも効果が表れている。最新版では従来に比べて約24%も高速化。Boot CampではWindows 7の起動に1分程度の時間が必要なのに対し、最新版のParallelsは20秒程度で起動する。ParallelsならMacの再起動を待つことなく、必要なときにすぐにWindowsを利用できる。
なお、CPUのテストではバージョンアップによる大きな違いは見られなかった。これは、仮想マシンはCPUエミュレーションを行わず、ほとんどの命令コードをCPUで直接実行するため、CPUの実性能をほぼ反映した結果だからだ。
Parallelsでは、仮想マシンに割り当てる仮想CPUのコア数(スレッド)を増やして、実行性能を向上させられる。搭載するすべてのコアを割り当てた場合、マルチスレッド対応のプログラムであれば、Boot Campと同等の高速動作を実現する。ただし、すべてを割り当ててしまうとMac側の動作速度が遅くなるので、通常は搭載コア数の半分以下にしておくといい。