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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第57回

ジャケットスタイルの「Let'snote J」その実力は?

2010年10月21日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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付属のバッテリーとACアダプター

付属のバッテリーとACアダプター

 もうひとつの差違である、標準搭載のバッテリーによる駆動時間も許容範囲だ。バッテリーベンチマークツール「BBench」の計測結果では、4時間から4時間半といったところ。単純な比率計算から考えると、別売の「バッテリーパック[L]」ならば6時間程度になる。この重量で1日の利用ならば、おおむね満足できる。

BBenchによるバッテリー駆動時間テスト
いずれもパナソニック推奨設定で計測
プレゼンテーション+WiFi 省電力+WiFi
約4時間3分 約4時間36分

 ACアダプターは小型だが、電源コネクターが本体から真横に飛び出る点は変更されておらず、デザイン面でも使い勝手の面でも不満が残る。まあ、ご愛敬といったところだ。

 Let'snote J9は、とても完成度の高いパソコンである。率直に言ってお買い得だ。だが、これを「デザイン重視」と呼ぶのは違和感が大きい。確かに頑丈にはなるが、パソコンとして使うなら「ジャケットはない方が使いやすい」と感じたし、デザイン面でプラスとも思えない。少なくとも、スタンダードモデルのジャケットに魅力は感じない。

 そもそも、女性や個性を重視する人々の視点でみれば、「お仕着せのジャケットしか選べない」ことの方がナンセンスなのではないか? いちいち出し入れが必要でも好きなケースにこだわるのが「おしゃれ」だと思う。

 ジャケットで堅牢さを保つ、という発想に意味がないとは思わない。だとすれば、サードパーティーが安価にジャケットを量産できる仕組みを整える方が重要なのではないか。Let'snoteとしてのデザイン戦略は、もっと別のベクトルがあるのではないか、と思わざるをえないのだ。

お勧めする人
・安価でバッテリー駆動時間の長いパソコンが欲しい人
・安心して長く使えるモバイルPCが欲しい人
Let'snote J9(CF-J9NYABHR)の主な仕様
CPU Core i3-370M(2.40GHz)
メモリー 2GB
グラフィックス CPU内蔵
ディスプレー 10.1型ワイド 1366×768ドット
ストレージ HDD 160GB
無線通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n、WiMAX、Bluetooth
インターフェース USB 2.0×3、HDMI出力、アナログRGB出力、1000BASE-T LANなど
サイズ 幅259×奥行き185×高さ39~48mm
(ジャケット装着時)
質量 約1.185kg(ジャケット装着時)
バッテリー駆動時間 約7.5時間
OS Windows 7 Home Premium 32/64bit版(選択式)
価格 オープンプライス(実売価格 12万円前後)

筆者紹介─西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、PCfan、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)、「クラウド・コンピューティング仕事術」「iPhone仕事術!」(朝日新聞出版)、「iPad vs.キンドル」(エンターブレイン)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新聞出版)。

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