Word Web App
Word 2010のWeb App版である「Word Web App」は、いささか制限が多い。「閲覧表示」と「編集表示」の表示モードがあるのだが、文書を編集する際はテキストだけが表示される「編集表示」になり、WYSIWYG(DTPのように印刷イメージで編集する機能)にはならないのだ。
例えば、ヘッダーやフッターの画像は編集できないどころか、編集時には表示もされない。そのため、文書が印刷時にどんなイメージになるかを確認するには、「閲覧表示」と「編集表示」を行き来する必要がある。
さらにWord Web Appでは、表は作成できるものの、図形やSmartArt、記号や数式、グラフなどは作成できない。パソコン上のOfficeクライアントで作成した図や数式混じりの文書は、「閲覧表示」ではきちんと表示される。しかし「編集表示」に切り替えると、[描画]や[グラフ]のようにマークが表示されるだけだ。
はっきりいって、Word Web Appだけで新規の文書を作成するのは、かなり面倒そうだ。メモとしてテキストを保存しておく程度なら使えるが、Word 2010の代わりにはなりそうにない。
Excel Web App
「Excel Web App」では、表計算のエンジン自体はExcel 2010と同じものが使用されている。そのため、Excel 2010の関数がそのまま利用できる。ただし、関数の入力を手助けするウィザード機能は用意されていない。ユーザー自身が関数名と引数をきちんと覚えていないと入力できないわけだ。
だが、膨大な数がある関数と引数をすべて覚えておくことは不可能だろう。そのため実際に使用する時は、関数に関するヘルプや解説書を見ながら入力するか、Excel 2010で入力したワークシートを、Excel Web Appにアップロードして利用するのが手っ取り早いだろう。
またExcel Web Appでは、グラフやスパークラインなどを作成できない。Excel 2010で作成したシートにこれらが入っている場合は、正しく表示される。さらに、セルの値を変更すれば、グラフやスパークラインも変化する。ただし、設定されているグラフやスパークラインのデザインは変更できない。
このほかにも、Excel Web Appはウェブブラウザー上で動作しているため、マウスの右ボタンを使った操作ができない。だからExcel 2010などでよく使う、マウスの右ボタンを使ってセルを移動したり、コピーする機能はサポートされない。
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