Office 2010では、ウェブブラウザー版Officeこと「Office Web Apps」が用意される。WordやExcel、PowerPointにOneNoteなど、4つのアプリケーションをウェブブラウザー上で利用できるサービスだ。
Office Web Appsはウェブブラウザー上でOfficeの各アプリケーションを実現しているので、パソコンにOffice 2010がインストールされていなくても、利用できる。Office Web Appsが利用できるウェブブラウザーはInternet Explorer 8/7だけでなく、Firefox 3以降やSafariなども対応している。
本稿執筆時点のOffice Web Appsはまだβ版だが、現時点での機能や、できること/できないことについて調査してみた。
Officeのない人とも共同作業が可能に
Office Web Appsは、企業向けの「Office SharePoint Server」という企業ポータルサイトソフトと、Windows Liveで利用できるようになる。個人ユーザーにとっては、Windows Live環境でOffice Web Appsが利用できるのは手軽でいい。なお、Office SharePoint Serverで提供されるOffice Web Appsと、個人向けのWindows Liveで提供されるOffice Web Appsでは、若干機能が異なるようだ。
Office Web Appsを使えば、Officeが入っていないノートパソコンでも、文書を作成、編集したりできる。また、古いバージョンのOfficeしか持っていないユーザーやMacユーザーでも、Office 2010ベースの文書を閲覧したり、編集できるようになる。今まではOfficeのバージョン違いを考慮して、互換性のために古い保存形式で保存していたものだが、そういう手間とも無縁になる。
もうひとつ、Office Web Appsのメリットには、複数のユーザーでの共同作業が簡単にできることだ。今までなら、作成した文書ファイルをメールや共有ネットワークで複数の人に送ったり共有して、修正や追加してもらったファイルをまた返送してもらうといった作業が一般的だった。複数人が関わる文書だと、複数人からの修正を再度まとめるといった面倒な作業を強いられることもある。
しかし、Office Web Appsを利用すれば、Windows Live上で共有されている文書を、関係する人々にウェブブラウザーで見てもらい、修正や追加してもらえるようになる。Officeのバージョン違いを気にすることもないし、修正内容や文書のレイアウトが食い違ったりすることもない。複数ユーザーで文書を扱える、コラボレーションツールとしての機能も持っているわけだ。
またパソコンにインストールするOffice 2010では、Windows LiveのOffice Web Appsとの連携が強化されている。例えばOffice 2010のファイルメニューには、「保存と送信」という項目が用意されているが、ここには「Webに保存」という項目がある。これを選ぶと、直接文書をWindows Liveにアップロードできる。
当然ながら、Windows Liveにアップロードするためには、事前にWindows Live IDを取得しておく必要がある。Windows Live版のOffice Web Appsでは、Windows Liveのファイル保存サービスの「SkyDrive」に文書が保存される。現在、ユーザーあたり25GBまでディスク容量が提供されている。
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