WiMAXルーターの通信速度、△判定でどのぐらいが目安?
無線LAN側のセットアップも終わって、WAN/LANともにワイヤレスでインターネットに接続できる環境ができた。そこで回線速度の計測を実施した。
残念ながら、筆者宅ではWiMAXの電波状況はあまり良くないことは書いたとおり。エリア判定では「△~○」だが、限りなく△に近い状況である。どれぐらいの速度が出てしかるべきなのか分からないことには、測定したスピードが妥当なものなのか判断できない。
そこで都内の量販店でWiMAXの販売員にWiMAXルーターの利用を検討している1ユーザーとして、「△~○の判定はどれぐらいのスピードが期待できるのか」聞いてみた。すると下りで約5Mbpsは期待できるということだった。ただし筆者宅での様子を伝えたところ、「△」判定のエリアレベルだろうということで、シミュレーションの結果から判断して「2~3Mbpsの速度が期待できるのではないか」とのことだった。
期待値通りの通信速度が出たが
さて、筆者宅でどれぐらいのスピードが期待できるか目安がわかったところでスピード測定をおこなった。一般的なインターネット利用は、PCからインターネット側への通信量は少なく、インターネットからPCへの通信量はとてつもなく多い。そこで今回は下り速度についてスピード測定を実施した。スピード測定では、gooスピードとUSENのスピードテストを利用した。測定環境は以下の図表の通りである。
結果は、「△判定」での期待値通り、2~3Mbpsであった。瞬間的に3.75Mbpsを記録することもあった。LAN接続をWi-Fi接続による差異もこの計測結果からは同等といっていいだろう。少なくともWiMAX側の通信速度でLAN側に転送されているように見える。
この下り速度が2~3Mbpsは体感的にどの程度の速度だろうか。ケーブルテレビの接続サービスで、普段使っているのと同じようにインターネットのウェブサイトの閲覧やGyaoの無料コンテンツを視聴してみた。
まずウェブサイトのアクセスだが、表示に待たされる印象はない。おそらく1秒にも満たない待ち時間があるのだろう。やや全画面が表示されるまでゆっくりした感じを受けるが実使用には支障がない。
それでは動画コンテンツはどうだろうか。まずは、画像サイズを小さくして配信しているGyaoなどの映像コンテンツを試してみた。
当初は10分も見ていれば、ダメなところが目につくだろうと思っていたが、全く問題はない。動画が中断したり、音声だけが再生されるのではないかという危惧も杞憂だったようだ。実際には2回ほど瞬間的に画像がぶれたが、それ以外は全く問題なく視聴できた。逆にドラマの内容に見入ってしまい、1時間のドラマを最後まで視聴してしまったほどだ。
高速移動時でも安定した通信が可能
下り2~3Mbpsでも思いのほかインターネットを実用的に使えることが分かった。それならば、WM3300Rを使って外出先でどれだけの通信速度を利用できるのに興味がわいてきた。
仕事でよく行く新宿の駅前、移動手段として使った町田~新宿までの特急ロマンスカー内、そしてたまたま行くことになった池袋の東京芸術劇場でスピード測定をしてみた。使用したPCは同一のPCで測定はWM3300RとPCをUSB接続した場合とWi-Fi接続した場合の2通りである。その測定結果は以下の通りとなった。
新宿や池袋でも測定した場所がビルの陰であったり、建物の中であったりするせいか、2~3Mbpsと自宅での測定結果とあまり変わらなかった。スピードが高く出るケースもあるが、変動があることも分かった。
この測定で一つ興味深かったのは特急電車の移動中の測定でも、2~3Mbpsの十分な通信速度が得られたことである。測定中に動画がフリーズすると言った問題もなかった。WiMAXに用いられている技術が3Gケータイの第6番目の標準技術として採用されたことを思い出させるきっかけとなった。
日を改めて自宅でWM3300Rを使ってスピード測定をして見ると、Wi-Fi接続での測定で、4Mbps弱の通信速度が得られた。測定日時による変動も大きいということだろう。