ハイエンド3-Way SLI環境で冷却性能を検証!
DF-85は、アンテックの新ゲーミングPC向けケースブランド「ダークフリートシリーズ」の最上位モデルに恥じない、機能的かつ冷却性能の高いケースだ。そこで、ハイエンドビデオカードを3枚搭載した3-Way SLI環境を構築し、冷却性能を検証してみることにした。テスト環境は以下に示したとおりだ。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i7-920」(2.66GHz) |
マザーボード | ASUSTeK「P6X58D-E」(X58 Express) |
メモリー | CORSAIR「CMX8GX3M4A1399C9」(DDR3-1333 2GB×3) |
ビデオカード | EVGA GeForce GTX 480×3 |
HDD | Western Digital「WD10EADS」(1TB) |
光学ドライブ | バッファロー「DVSM-724S/V-BK」 |
電源ユニット | Antec「TRUEPOWER QUATTRO 1200W」 |
OS | Windows 7 Ultimate(64bit) |
この環境で、DF-85に搭載されているファンはすべて回転数を一番下げた状態にして、重いゲームソフトやベンチマークソフトを動かしてビデオカードに負荷をかけ、GPU温度をハードウェアモニタツールで計測してみた。なお、計測時の室温は28℃で、アイドル時のGPUの最高温度はそれぞれ64℃、62℃、48℃であった。最後の1つのGPUのみ温度が低いが、今回テストした3-Way SLI環境では、2枚のビデオカードはSLI動作で3D描画を行ない、残りの1枚のビデオカードは物理エンジン「PhysX」専用として動作しているからだ。
まず、Grand Theft Auto IVを30分間連続でプレイしたところ(1920×1080ドット、描画に関するオプションはすべて最高に設定)、3つのGPUの最高温度は、94℃、94℃、52℃となった。Grand Theft Auto IVは比較的マシンに負荷をかけるゲームなのだが、PhysX非対応なので3枚目のビデオカードは使われていない。
今度は、PhysXにも対応した3Dベンチマークソフト「3DMark Vantage」を最高のExtreme設定で3回連続実行したときの最高温度を計測したところ、95℃、94℃、66℃という結果になった。先ほどの結果に比べて、1枚目と2枚目のビデオカードのGPU温度はほとんど変わってないが、3枚目のビデオカードのGPU温度はかなり上がっているのがわかる。
94℃や95℃という温度は、一見高いようにも思われるが、GeForce GTX 480は非常に発熱の大きなGPUであり、高い負荷をかけると100℃近くになることも珍しくはない。GeForce GTX 480の最大動作温度は105℃とされており、10℃程度の余裕がある。今回は室温がやや高めの環境でテストを行なったが、室温が下がれば、GPU温度も下がる。DF-85を利用した3-Way SLIシステムは長時間負荷をかけても、動作は非常に安定しており、十分な冷却性能を持っているといえる。また、ケースファンからの騒音が小さいことも高く評価できる。高負荷時は、ビデオカードのファンの騒音が大きくなり、ケースファンの騒音をかき消すほどになった。
この検証からもわかるように、DF-85は高い冷却性能と使い勝手のよさを両立させており、ゲーミングPC向けケースとしての完成度は高い。ゲーミングPC以外にも、9つの3.5インチシャドウベイやホットスワップ対応のフリートスワップベイを活かして、RAIDシステムを構築するにも適しているだろう。
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