CPUの世代交代もそろそろ一段落。ハイエンドな製品だけでなく、バリュー系の製品でも、Core iシリーズの利用が定着してきた。今回試用する「VAIO Y VPCY219FJ/S」(店頭販売モデル 以下VAIO Y)は、Core i3-330UM(1.20GHz)を採用した、バリューラインのモバイルノートだ。
価格+13.3型のサイズを重視
キーなどのクオリティーは合格
VAIOノートの中でもYシリーズは、「フルサイズでありながら価格重視」のラインといっていい。低価格なパソコンというと、大柄な14~15インチクラスの製品か、10~11インチクラスのネットブックが大半だ。前者はパワーこそ十分だがモバイルには向かず、後者はモバイル性は十分だが絶対的なパワーが足りない。
というわけで、昨年あたりは俗に言う「CULVノート」が人気だったわけだが、新しいVAIO Yはそれともちょっと異なる。CPUクラスこそ似たような位置づけだが、サイズはいわゆるモバイルノートとしては限界サイズの13.3型であり、重さも約1.78kgと重めだ。だが一方で、このサイズは快適なタイピングと見やすいディスプレーを提供できる、ちょうど良い大きさでもある。13.3型モバイルノートと言えば、同社の「VAIO Z」をはじめとするハイエンド機が思い出されるが、あれはすべての人が買える価格帯ではない。
というわけで、価格を抑えつつ13.3型でまとめ上げたVAIO Yの登場、ということになる。すでに述べたように、CPUは超低電圧版のCore i3プロセッサーであり、Atomよりはましだが、さほど高速とはいえない。また、13.3型サイズなのに光学ドライブがないのも、若干見劣りする。だがそれでも「11万5000円前後」という価格は、それらの条件があっても納得させるだけの力を持っている。
実際に触ってみても、13.3型ノートとしても大柄なサイズからくるキーボードの打ちやすさはなかなかのものだ。Enterキーがちょっとびっくりするくらい大きいのだが、気になるのはそのくらいのもの。タイプ音が大きめで、少々コストダウンを感じさせるのが難点ではあるが、アイソレーションタイプのキーボードとしては、十分に水準をクリアーしている。
ネットブックなどでは割愛されがちな、ExpressCard/34のスロットがあるのもポイントだ。特に日本国内の場合、通信関連を中心にほとんどの機器がUSB対応になり、以前ほど価値を感じにくくなってはいるが、ビジネス用途を考えると、ないよりはあった方がいい。
ボディーの作りは、素材こそコストダウンが感じられるが、組み立て精度やパーツの作りは良い。特にパームレスト部が一体成形になっており、継ぎ目などが手の平にかかることがなく快適だ。
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