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西田 宗千佳のBeyond the Mobile ― 第42回

新VAIO Z開発者インタビュー

「あきらめない価値」を追求したモバイル 新VAIO Z

2010年03月01日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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 去る2月15日、日本国内でもついに「新VAIO Z」が発表された。「最速CPU+独立GPU+こだわり設計」でおなじみのシリーズだ。今回の新モデル(VPCZ11系)は、新世代CPUへの移行を含め、時期的にさまざまなチャレンジを必要とする、難しい世代といえる。

 だが毎度のことながら、VAIO Zの「やりすぎ」とも思える設計は今回も健在だ。新シリーズでは、どのようなトライアルを行なっているのだろうか? 商品企画担当の金森伽野(かなもり かや)氏と、開発責任者の鈴木雅彦氏に話を聞いた。

金森伽野氏 鈴木雅彦氏
金森伽野氏:商品企画担当鈴木雅彦氏:開発責任者

「なにもあきらめない」コンセプトは今回も継続

 まず最初に、VAIO Zのコンセプトを確認してみよう。広告コピーでVAIO Zは、「なにもあきらめなかったモバイル」と表現されている。これは以前から使われているものだが、Zシリーズのコピーとしては久しぶりの「復活」ともいえる。

 新モデルのコンセプトについて、金森氏は次のように説明する。

金森「13.1型というVAIO Zの特徴はご好評をいただいていましたので、それを引き継ぐことは決まっていました。しかし、基本的には前モデルの設計を引き継がず、ゼロベースで考えるところから始めました。そこで考えたのは、『前機種の強みを伸ばそう』ということです」

「前機種でご評価いただいた点は、『パフォーマンスとモビリティーの融合』でした。『これだけパフォーマンスがあるのにこんなに軽い』という点を徹底的に伸ばそうと。そこでパフォーマンスを高めた上で、軽さやバッテリーライフの良さをどこまで伸ばせるか、というのがキーになりました」

 Zシリーズは伝統的に、標準電圧版のモバイル向けCPUを採用している。それがゆえの高性能が人気であり、特徴となっていた。金森氏の言うパフォーマンスのひとつは、もちろんこの部分を指す。新機種ではCPUを最新のCore i7/5シリーズに対応したことで、CPU性能は確実に上がった。特にCTOモデル(VAIO OWNER MADEモデル)の場合、現時点で最上位CPUであるCore i7-620M(2.66GHz)まで対応していることが、差別化ポイントのひとつであることは間違いない。しかし、その分TDP(熱設計時消費電力)も上がり、発熱量も増えている。設計面では、まずこの点が懸案となった。

鈴木氏
「新しい機種を出すなら、前のモデルより軽く薄くならなければ」(鈴木氏)

鈴木「問題になったのは、グレードの高いCPUを搭載できるか否かよりも、搭載したうえで『本体を(以前の機種よりも)薄くできるのか』でした。新しい機種を出すなら、前のモデルより軽く薄くならなければ、という狙いがありました」

「本体を真横からのぞいていただくとわかりますが、厚みが薄くなっただけでなく、ボトムの部分は目に見えて薄くなっています。これは、冷却ファンの厚みを減らしたことによるものです」

前モデルと新モデルの右側面
前モデル(左)と新モデルの右側面。新モデルはさらに薄型化されている

 カタログスペックで見ると、旧モデルと新モデルの厚みの差は、わずか1ミリにも満たない(24.5~33.0mmが23.8~32.7mmに)。しかし実際には本体のデザイン変更もあり、見た目はさらに薄くなっている。デザインについては後ほど触れるが、ここで重要だったのが冷却ファンの変更だ。

鈴木「新しい薄型ファンでは、フィンが2段になっています。これにより音の位相が少しずれることで、高回転時にも音が小さくなるという効果があります。元々使っていたファンも、『しっかり冷却しながら高速回転時にも音が大きくならないように』と採用したものなんですが、熱量が増えたことでさらに厳しくなったので、新しいファンを採用しました。フィンが増えたことにより、たくさん空気を入れて、たくさんはき出せるようになっています」

前モデルと新モデルの冷却ファン 新ファンはフィンが上下2段に
前モデル(左)と新モデルの冷却ファン。直径、高さともに小型化されている薄型の新ファンはフィンが上下2段に分かれている

金森「冷却能力でいえば数W分向上していますが、騒音レベルとしては、高回転時でも旧モデルと同レベルに抑えています」

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