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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2010 第4回

知ったかできるパーツ基礎知識【ケース、電源、クーラー編】

2010年04月22日 12時00分更新

文● G&D Matrix

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 特集4回目は、PCケース/電源ユニット/CPUクーラー編と題し、それぞれ順に“イマドキ”を見て行きたい。まずは数ある自作パソコンの構成部品中、日常最も目にする機会が多く、趣味嗜好に走りたいPCケースの“今”を紹介しよう。

PCを一式購入するときに忘れちゃいけないPCケースと電源ユニット。冷却性能や騒音が気になる人はCPUクーラーも要チェックだ

種類やデザインも豊富なPCケース
さてどれを選ぼうか?

 そもそも「そろそろ1台組んでみるか」と思った場合、さてどんなPCケースを買えば良いのだろうかと悩む人は多いだろう。ぶっつけ本番でアキバへ出るのも良いが、まずは一通りのポイントを“脳内自作”で押さえておく方がより良いお買い物ができるというものだ。ありあまる予算がある恵まれた方は別として、このご時世、筆者を筆頭に少しでも節約しつつ、良いものを選びたいと思うならば、先を急がずに基本からチェックして行くことをお勧めしたい。

当たり前が重要なケース選びのポイント

(1)マザーボードの規格から選定する
(2)搭載するCPUのスペック(能力)から選定する
(3)搭載するグラフィックスカードから選定する
(4)エアフローの善し悪しから選定する
(5)使用目的から選定する
(6)長く使えるモデルを選定する

 ここでポイントを6つ挙げたが、どれもこれも「当たり前ではないか」と思われた貴兄諸氏、ここはもう少し我慢して読み進めて欲しい。順を追って行くことにより“無駄買い”を極力無くすことができ、あとはアキバへ出掛けるのみとなるはずだ。

まずは大きさから

 まず(1)「マザーボードの規格から選定する」は、もちろんフォームファクタのことを指す。第1回でご紹介した通り、マザーボードには現在入手できる主な規格としてE-ATX、ATX、Micro-ATX、Mini-ITXが挙げられる(その他独自規格や超スモールフォームファクタも存在するがここでは割愛する)。

マザーボードのフォームファクター。左からATX、Micro-ATX、Mini-ITX、Nano-ITX、Pico-ITX

 恐らくPCを自作しようとした場合、PCケースから決めるよりもCPUやマザーボードから決めて行くことが多いだろう。それらの規格に合ったPCケースを選べば良いワケだが、対応規格よりもワンランク大きなPCケースを選ぶという手もある。
 多くのPCケースでは、下位互換が謳われており、今も一昔前も自作の主流であるATX規格に対応するモデルは、Micro-ATXとMini-ITXも搭載ができる。またE-ATX対応フルタワーモデルならATX、Micro-ATX、Mini-ITX全てが搭載可能というワケだ(対応が謳われていないモデルもあるので念のためモデル毎に確認は必要)。
 さすがにフルタワーケースにMini-ITXマザーボードを搭載させるのは不釣り合いだが、“ケース内容積が広いことで悪いことは無い”。その理由については以下を読み進めて欲しい。

なんとも近未来的なスタイルのThermaltake「Level10」。同社10周年を記念してリリースされたモデルで、なんとBMW Group Designworks USAがそのデザインを担当。現在の自作市場ではこんなモデルまで製品化されている。数年前、誰がこのようなスタイルを想像しただろうか!

メモリやSSD、電源ユニットを手掛けるCORSAIRが投入したE-ATX/ATX/MicroATX対応フルタワーモデル「800D」。シンプルなフロントフェイスはサーバーケースの風貌を醸し出す。無骨な印象はどこか前時代的な感もありつつ、ケース内はまさに“イマドキ”な仕様にまとめられている

搭載するするパーツの発熱量をチェック

 (2)「搭載するCPUのスペック(能力)から選定する」は、発熱量に関係する。PCの構成部品中もっとも重要となる“頭脳”、CPUは常にクリーンな状態に置く必要がある。発熱体となるCPUは、アプリケーションの実行中は高温になるわけだが、この温度上昇を防ぎ、許容範囲内に保つ役割を果たすものが後述するCPUクーラーであることは言うまでもない。そのCPUクーラーが十分な冷却能力を発揮するためにはケース内の温度をできる限り低い状態にする方が良い。真夏の日中、エアコン無しの3畳間に居るのと20畳の広いリビングの中に居るのとでは、どちらが良いか?(あるいはマシか?)を考えれば、当然後者となるだろう。PCケースも同じことが言えるわけで、高いTDP(想定最大放熱量)のCPUを使うならば、冷却を考慮して大きめのケースを選ぶことをお勧めする。
 よって(3)「搭載するグラフィックスカードから選定する」も同様、現在のハイスペック・ビデオカードはCPU以上の発熱体となり得るため、できる限り余裕を持った大きさのモデルを選びたい。

限定生産となるアビー「AS Enclosure 1000」は同社のフラッグシップモデルとして2010年3月にリリースされた。新機構「システムHDDホルダ」を装備するなど、アビーがこれまで培ってきたエアフローレイアウトがふんだんに盛り込まれている。長く使えるケースのひとつと言えるだろう

(次ページへ続く)

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