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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2010 第2回

知ったかできるパーツ基礎知識【ビデオカード編】

2010年04月20日 12時00分更新

文● G&D Matrix

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DirectX 11時代の到来

 一昨年はNVIDIAのGeForceシリーズが圧倒的なシェアを獲得したが、昨年はAMDの「ATI Radeon HD 4000」シリーズ、そして業界初となるDirectX 11対応の「ATI Radeon HD 5000」シリーズが大ヒットし、2009年にVGA市場はまさにATI一色という感じだった。そして2009年の暮れ、遅まきながらNVIDIAもDirectX 10.1対応の「GeForce GT 240」でWindows 7への対応を進め、2010年春、ATIから半年遅れてDirectX 11対応の「GeForce GTX 400」シリーズをリリース。ようやくATI Radeon追撃の準備が整った。ここまでが現時点での2大GPUメーカーの情勢である。

ようやく販売の始まったNVIIDA初のDirectX 11対応ビデオカード「GeForce GTX 480」

GPUを選ぶ前に押さえておくポイント

 「ビデオカード」とは、文字通り映像を出力するためのカード(基板)のことを指している。つまり「交換可能な形態」ということだ。パソコンで最も交換が検討される部品が、ビデオカードであり、かつ自作する上で重要なファクターであることは、今も昔も変わらない。GPUを内蔵するCPUやチップセットのパフォーマンスが向上しているものの、やはり性能では単体の“ビデオカード”の方がほとんどの場合、1枚も2枚も上なのである。さてビデオカードを選ぶポイントだが、まずは搭載するGPUを選択する前に確認しておくべきポイントがある。それは……

・ビデオカードのインターフェイス(拡張スロットの種類)
・ビデオカードの物理的なサイズ(長さや厚み)
・ビデオカードの性能(GPUの種類)

 以上の3つが、重要ポイントとなる。

インターフェイスはPCI Express 2.0 x16が主流

 まずはビデオカードをパソコンに差すためのインターフェイスから話を進めよう。
 これは大きくわけて3つのタイプがある。

・PCI Express
・PCI
・AGP

 古いパソコンでは、AGPまたはPCIが使われていることも多いが、そこまで古いパソコンだと、ビデオカードのアップグレードによる恩恵はほとんどないだろう。というのも、その時代の製品を使っている場合、CPUパワーが圧倒的に足りず最新のビデオカードを搭載しても、ほとんどの場合、性能を発揮できないからだ。その場合はCPUやマザーボード、メモリなど基幹パーツをごっそり入れ替えるか、PCそのものを全く新しく自作した方が早いだろう。
 またPCI Expressスロットがあったとしても、そのスロットがPCI Express x16スロットであること、そしてPCI Express 2.0に対応していることが、ビデオカードを交換する際の必須条件となる。しかし、現在販売されているほとんどのマザーボードはほぼPCI Express 2.0に対応しているため、よほど古い製品を使っていない限り気にしなくても大丈夫。逆にPCI Express 2.0に対応していないマザーボードを使っている場合は、世代的にもマザーボードを買い換えた方がいいのだが、分からない場合はマザーボードの型番を控えておき、店頭で相談するのが確実だ。

写真はASUSTeK製マザー「M4A89GTD PRO/USB3」。白と青の長いスロットがPCI Exppress 2.0 x16スロットだ

ビデオカードのサイズに注意

 ビデオカードのサイズというのは、長さと高さ、そして厚みのことを指している。小さいカードは、どんなパソコンにも適合し、逆に大きくなると制約も大きくなる。特に冷却を重視した製品の場合、拡張を2スロット分を占有するため、隣接するスロットを考慮していないと他の拡張カードが差せないという困った自体も起きるため注意したい。特に最近のミドルレンジ帯の製品は、2スロット仕様が普通と思っても問題はない。

写真はMSIのAIT Radeon HD 5870搭載ビデオカード「R5870 Lightning」。カードが上方向に長く、PCケースによっては側面パネルと干渉する恐れがあるため購入には注意が必要だ

Radeon HD 5570は、ほとんどの製品がロープロファイル対応となっている

PCI Express補助電源コネクタに気を付けよう

 ミドルレンジ以上のビデオカードには「PCI Express補助電源コネクタ」というものが付いている。ここに電源ケーブルを差さないと、正しく動作せず、大抵の場合は、BIOS画面も出ずに画面が真っ黒のままとなる。久々に自作に戻ったユーザーのかたに多いミスの一つで「ビデオカードに電源を差すなんて……」というも人も少なからずいるはずだ。

ビデオカードの補助電源コネクタ(6ピン×1)

ビデオカードの補助電源コネクタ(6ピン+8ピン)

ビデオカードの補助電源コネクタ(6ピン×2)

ビデオカードの補助電源コネクタ(8ピン×2)。写真はMSI「R5870 Lightning」のコネクタだが、8ピン×2というリファレンスとは異なる珍しい仕様だ

 ビデオカードの補助電源コネクタには、上記のように4種類ある。このうち、8ピンのコネクタはCPU用の8ピンコネクタに酷似しているが、全く別物なので誤って差さないよう要注意。形状が異なるため普通は差せないのだが、無理やり差せば入らなくもない。「入らない」と思ったらまずは形状を今一度よく確認しよう(間違って差すと、ショートしてビデオカードが壊れる)。
 また昨今の電源ユニットには、大抵6ピン×2のPCI Express補助電源コネクタが用意されているが、8ピンタイプが用意されていないこともある。自分の使っている電源ユニットに8ピンタイプがあるかどうかの確認は必須項目といえる。もちろん新しく電源ユニットを購入するのであれば、8ピン×2が用意されている最新の電源ユニットを選べば、市販されているビデオカード全てに対応する。

最新の電源ユニットでは、このように6ピン+2ピンの合体・分離型コネクタを複数備えていることが多い(写真の青いコネクタ)

(次ページへ続く)

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