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買ったからには全部言いたい! ペンタ「K-x」の魅力 第6回

聞きたいことが山ほどあった! K-x開発者を直撃!【前編】

2009年11月26日 12時00分更新

文● 小林 伸

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 「K-x」を使っていく中で、少しずつわかってきたこと、わからないことが増えてきた。今回、ペンタックスにてK-xの開発に携わった方々からお話を伺う機会を得られた。そのインタビューの模様を2回に分けてお伝えしたい。

「ボディカラー100色バリエーション」のインパクト

K-xの商品企画を担当した、マーケティング統括部 商品企画グループの若代 滋氏

K-xの商品企画を担当した、マーケティング統括部 商品企画グループの若代 滋氏

 ――まず、K-xの開発コンセプトをお聞かせください。

 若代(敬称略):現在、デジタル一眼レフカメラの市場において初心者の購買層に向けたエントリークラスのカメラは連写速度などの性能や機能がミドルクラスのカメラと比べて見劣りしてしまいます。しかし、ミドルクラスのカメラは大きくて重く、。さらに操作部材が多くて難しい印象があります。そこで、ミドルクラスの性能を持ちながら、簡単で手軽に使えるカメラを念頭に置いて開発しました。また、写真表現の幅も多様化してきているので、それに対応できる機能をふんだんに盛り込むことも重要と考えました。

 ――ユーザー層はどういった人たちを想定していらっしゃいますか?

 若代:デジタル一眼レフカメラのエントリーモデルを購入した人たちを調査していく中でわかったことは、とにかく多種多様であるということです。人によってカメラに求めるものがまちまちで「簡単手軽でキレイに」「低価格でワンランク上のものが欲しい」「サブカメラとして手軽に使えるエントリークラスの一眼レフが欲しい」などがあり、それぞれの方の撮影シーンや使用目的もばらばらです。成長市場とはいえ、コンパクトデジタルカメラと比較すれば市場は小さく、その中で細かくセグメンテーションを行なうとターゲットユーザーがかなり限定的になってしまいます。そこで「デジタル一眼レフでいい写真を撮りたい“みんな!”」をターゲットにしました。

 ――ラーメンの具全部盛り……みたいなターゲッティングですね。

 若代:それに近いかもしれません。

発表会では「ボディカラー100色バリエーション」が一同に集結

発表会では「ボディカラー100色バリエーション」が一同に集結

 ――そんな中から、「ボディカラー100色バリエーション」というアイデアなどもでてきたのですか?

 若代:生まれた背景としては、デジタル一眼レフは「なんで黒なの?」という疑問があり、コンパクトカメラのようにもっといろいろなカラーバリエーションがあってもいいのではないかと思っていました。「K-m」のときにも「ホワイト」や「オリーブ」といったカラーバリエーションを数量限定で発売したのですが、K-xではもっと積極的にやっていこうと思ってやってみました。

 ――積極的過ぎるような気もするのですが?

 若代:当初は「今月の色」のようなつもりで順次出すような構想もありました。今回プロモーションプランニングを部門横断的にやっていく中で、この際10を越えて100では? という私自身耳を疑うような意見が出てきました。今回のK-xはスペックに大変自信をもっている製品なので、それをより多くの人に知ってもらうためには100カラーバリエーションというくらいインパクトのあることをやった方がいいだろうということになりました。おかげで、当初予想もしていなかったメディアからも取材申し込みが殺到していて「インパクト」という面では成功したかなと思っています。今回のボディカラー20色以外に世に出ていない色は倍以上ありました。その色の選別に相当時間がかかりました。

K-xのメカ設計を担当した、第2開発部部長の小迫 幸聖氏

K-xのメカ設計を担当した、第2開発部部長の小迫 幸聖氏

 ――たしかに、ペンタックスからの「インパクト」は伝わってきました。それでは、少しメカニカルな部分のお話を伺いたいのですが、K-xのボディはK-mとまるっきり同じ物。同じ金型を使用したものと思いますが、これは開発当初からこのボディでいこうということだったのでしょうか?

 小迫:エントリー向けですので、リーズナブルな価格を目玉にしたいということが当初からありました。それから、K-mのカラーバリエーションを検討した中で、横に入った銀のストライプがカラーモデルにあっているということに気づかされました。これをあえて変更する必要は無いのではないか? ということで外観形状はK-mを踏襲しながら、カラー展開とコストパフォーマンスの向上を満たそうということになりました。

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