下絵編#1 ざっくり構図決め
INOさんが普段使っているペンタブレットはIntuos3。タブレット上に薄い紙を直接貼りつけ、ペンで描いているような感覚で使用している。環境はMac Proで、ペイントソフトはPhotoshop CS4。線画はComicStudioを使うこともあるという。
INOさんの特徴は、拡大・縮小をするためにボリュームつまみのようなコントローラーデバイス「Powermate」(右)を使っていること。拡大・縮小をIntuos付属のパッドでやると滑りやすいが、こちらなら細かい調節が利くため重宝しているのだという。
画面サイズは最終的な完成サイズの2~3倍、今回はタテ800ドットを想定し、縦長の1600×1200ドットに指定している。解像度は72dpiでオーケー。
描きはじめは2~4px程度のブラシで下絵を描く。下絵段階では使用しないが、ブラシにはあらかじめいくつもスクリーントーンのようなパターンが登録してある。印章のような模様や煙のようなブラシなど種類は様々だ。
まずはラフにあった「籐の椅子」のイメージから描いていく。レイヤーは「ベタ塗りレイヤー」で作成してある。これは白のブラシで描くと表示し、黒で描くと消えるもの。普通のレイヤーよりも情報量が少なく、作業が軽くなる。ほとんどすべての工程でこれを使っているのだという。
「(構図が)面白くないな……」とラフを描きなおすこと数回、それまで描いていたレイヤーを青系の色でベタ塗りして線画を青に変更する。上から新たなレイヤーを作り、2つめの下絵を描いていく。構図を決めるため、何度か全体を選択して回転や拡縮を繰り返す。
INOさんが下絵を描くときは顔ではなく「腰から」。理由は、顔から描く「書き順」に慣れると、漢字のように絵がパターン化してしまいそうだからというのが1つと、構図全体のバランスが取りやすくなるというのが1つだ。ちなみに画面全体は3つの頂点を持つオーソドックスな三角構図を基調に描いている。
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