プロジェクター機能はシンプル
本機ならではのプロジェクター機能だが、操作自体は非常に簡単で、本体上面左にあるボタンを押せば、液晶表示が消えて本体前面中央から投影が始まる。プロジェクターは映写距離によってピント合わせが必要だが、これは上面のスライドを左右に動かして調整する。
プロジェクター投影時にも十字キーで画像の送り/戻し、ズームレバーで拡大/縮小/一覧表示などの操作ができるものの、プロジェクター素子の焼き付きを防ぐためかMENUボタンを押すと液晶表示に戻るようになっている。また、当然ながらスライドショーも可能で、BGMや画面切り替え効果、1枚あたりの表示時間の設定が可能。表示時間は手動送り(カーソルで送る/戻す)も可能なので、画像を用意してプレゼンに使うこともできそうだ。
最近のプロジェクター製品ではオートフォーカスが付いていたり、スクリーンに対して斜めに投影したときの斜変形機能が付いていたりと機能豊富だが、さすがにこのサイズに詰め込むのは無理だったのか、基本的に投影するだけのシンプルなものだ。カメラを縦位置で撮ったときの画像を90度回転させるには、あらかじめ手作業で回転指定を行なう必要があり、できればプロジェクター使用時でもワンタッチで指定できるとありがたかった、
プロジェクター内蔵でも小さいサイズ
実機を手に取ってみると驚くのは、なにより普通のコンパクト機としてまったく違和感のないサイズに収まっていることだろう。
たとえば、同じくユニーク機能搭載の富士フイルム「FinePix REAL 3D W1」はレンズ2つを収めることもあって横幅123.6mm、重量は約300g(撮影時)と一回り大きく重いボディになっていて、他のFinePixスリム機と似たデザインが逆に違和感を覚えるほどなのだが、本機の場合はプロジェクターを内蔵しているにもかかわらず、横幅で99.6mm、重量約180g(実測値)と、ほとんど一般的な薄型コンパクトと大差ない。
もちろん、最新のスリム機の場合はかなり薄くて軽量なものもあるのだが、少なくとも昨年や一昨年のコンパクト機と比べても遜色のないサイズに収まっているのはかなり驚かされる。
撮影に関してはオート中心で利用するカメラということもあってとくにこれといった不満はなく、各種操作のレスポンスもかなり良い。広角28mmレンズは周辺部で若干暗くなるものの描写の劣化はそれほど目立たなく、普通に広角系コンパクトとして使うのも良さそうだ。ただし、ISO 800を超えるとかなりノイズが目立ち、ISO 6400/3200では画素合成によるノイズ低減機能(3Mモードになる)はあるものの、かなりざらついてしまう。