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山谷剛史の「中国IT小話」 第46回

暗雲漂う中国での地デジ化

2009年06月02日 16時00分更新

文● 山谷剛史

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中国の地デジチューナー(写真はSkyworthのもの)

中国の地デジチューナー(写真はSkyworthのもの)

 テレビは昔のほうが面白かった――日本ではここ最近、このようなことが言われているが、実は中国でも同じ事が言われている。

 中国でも日本同様、地上デジタルテレビへの移行が進んでいる。その一方で、これまた日本同様に地デジ移行を渋っている人たちもいる。

 テレビが面白くないという理由で地デジ化を面倒に感じている人、家のテレビを地デジ化しようと思わない人など。最近はテレビは見ずにラジオばかり聞く、という人も結構いる。

 しかし、日本と中国が全く同じかといえばそうでもなく、中国ならではの事情がある。


「昔はよかった」のスケールが小さい

 中国のテレビコンテンツは、(面白い面白くないは別にして)日本のように新しい番組が次々と放送されるわけではない。

 ドラマが最終話まで放送されれば、またそのドラマは何度も何度も再放送される。さすがにテレビの黎明期の頃のドラマは、CGを作り直し、キャストも新しい人で撮り直しているが、基本的には数年のスパンでドラマは何度となく流される。

 こと、中国のテレビ黎明期の初期のドラマ「西遊記」「紅楼夢」はクラシックな名作として、今も新しくなったものが放映されている。ドラマだけでなく、旧正月前の大晦日、中国人の誰もがテレビに向かう中国版紅白歌合戦こと「春節聯歓晩会」さえも、何度となく再放送される。

 コンテンツは同じわけで、中国では日本のように「土曜8時戦争の頃はよかった!」とか言うわけではなく、日本でいえばドラえもんのアニメで声優陣がガラリと変ったくらいの変化しかない。

 なので、ノスタルジーから来る「昔はよかった」というのは、突き詰めれば「大山のぶ代のドラえもんはよかった」程度のものでしかないのだ。

 日本も在りし日のクイズ番組全盛期には、素人が参加して盛り上がったが、中国もまた「超級女声」という素人からのアイドル発掘番組をきっかけに、(クイズではないが)素人が参加して盛り上げる番組が多数登場した。

 ただ、二番煎じなものが多かったためか、超級女声で誕生した有名人ばかりが知られている。素人参加番組に限らず、全般的に国民性がためか二番煎じな番組は多い。

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