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山谷剛史の「中国IT小話」 第98回

Twitterもどきの「微博」対応に奔走する中国政府

2011年06月14日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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ミニブログ「新浪微博」

ミニブログ「新浪微博」

 中国語で「微博(ウェイボー)」という、Twitterもどきのミニブログが普及し始めている。(中国通の読者からは「そんなことはとっくに知っている」というお言葉をいただきそうだが、なぜか当連載、いや筆者の執筆する記事で扱うのは初めてなので、この切り出し方にご理解いただきたい)。

 中国における微博は「飯否(fanfou)」というサイトから始まっており、現在はさまざまな規模のサイトが微博サービスを提供している。特に中国を代表するポータルサイト「新浪(Sina)」がリリースする「新浪微博」と、同じくポータルサイトとチャットソフト「QQ」で有名な「騰訊(Tencent)」がリリースする「騰訊微博」の2強状態となっている。

 その理由は、前者は微博を代表するサイトであり、後者は人気チャットソフト「QQ」のアカウントをそのまま利用できることから利用者が増加(詳しくは当連載の「中国から学ぶネットリテラシーの上げ方」を参照)。その結果、新浪微博のアカウント数は1億4000万、騰訊微博のアカウント数は9000万までに達し、まだまだ新規ユーザーは増え続けている。

中国微博に対応した微博リアルタイム検索も登場

中国微博に対応した微博リアルタイム検索も登場

 いずれも1回に書ける文字数は140文字とTwitterと同じであるが、本家のTwitterは特別な方法を利用しない限り、中国からは利用できない。

 微博人気から、早くも教育機関で微博を題材にする学習コースが登場した。南京大学金陵学院新媒体系(ニューメディア学科)では、「クリエイティブなクラスの実験」と称し、学生に微博アカウントを開設させ、期間内にフォロワー3000名で「優」、2000名で「良」、500名で「可」がもらえるようだ。

フォロアー販売を紹介するニュース記事

フォロアー販売を紹介するニュース記事

 フォロワーを増やしたいと思うのは、日本人にしろ中国人にしろ少なからず利用者が思うところ。そこは“ゴールドファーマー(オンラインゲームの経験値稼ぎ代行業者)”などの本場・中国である。フォロワーの販売業者も早速登場した。

 ダミーフォロワーのことを「僵屍粉(ジャンシーフェン。さしずめ“屍フォロワー”だろうか)」というが、この業者が明るみになったことで、“以前よりは”フォロワーの数は重要視されなくなった(が今も重要視されていることに変わりはない)。

 気になるフォロワー購入価格はというと、リツイートしてくれる、コメントしてくれるなどのアクティブ具合によって1アカウント1角(1.3円)から2元(25円)までさまざま。一時期はショッピングサイト「淘宝網」(TAOBAO)のあるショップでは「500アカウント8元(約100円)」「3000アカウント、700リツイート、150コメントのセットで588元(約7500円)」などで販売されていた。

 ニュースでしばしば取り上げられるようになると、淘宝網のショップはなくなった。が、今も地下経済としてフォロワー販売は残っている。

 ちなみに、微博でこうなのだからSNSサイトの友達もやっぱりお金で買える。上記の南京大学の取り組みはニュースになるほど話題となったが、ネットユーザーの反応は「どうせ金でフォロワーを買っているのだろう」と不評だったのはいうまでもない。

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