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「StarSuite」と「HancomOffice」徹底比較

2001年10月12日 01時54分更新

文● 阿蘇直樹

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プレゼンテーションツール

PowerPointファイルについては、下の写真のように「HancomPresenter」では画像を読み込むことができなかった。「StarSuite Impress」では問題なく読み込むことができる。

「StarSuite Impress」でPowerPointファイルを開いたところ。
こちらは「HancomPresenter」。画像が表示されなかった。

日本語入力については両製品とも特に問題はなかった。エフェクト機能については、「StarSuite Impress」ではスライドショーに効果をつける(スライドを切り替える際など)ことが可能であったり、動画を挿入することが可能になっている。「HancomOffice」では、次期バージョンからスライドにWAVやMP3などのファイルを挿入することが可能になるので、そちらに期待したい。

画像処理ツール

ドローツール「StarSuite Draw」とペイントツール「HancomPainter」は、それぞれ異なる目的で作られているツールなので、一概に機能を比較することはできない。共通しているのは、直線を書くことができたり、画像ファイルを読み込んで、コピーや貼り付けといった編集が行なえるといった程度だ。読み込むことができるファイルの種類は、「StarSuite Draw」のほうが圧倒的に多く、Photoshopファイルの読み込みなどもサポートしている。

「StarSuite Draw」に「HancomPainter」についてきたGIFファイル「welcome-000.gif」を読み込ませたところ。
同じファイルを「HancomPainter」で開いたもの。

全体的に見ると……

ここまで各ツールの機能を見てきたが、動作速度が若干遅い点をのぞけば、「StarSuite」のツール類のほうが優れていると感じられた。またツール間の連携を見てみると、「StarSuite」では、どのツールからでもファイルメニューの「開く」でファイルを選択することで、適切なツールが起動してファイルを操作することが可能だし、ツール間でコピー、貼り付けを自由に行なうことができるなど、使い勝手がよい。「HancomOffice」では、テキストデータ以外は自由にコピー、貼り付けを行なうことはできなかった。しかし、Linuxで用いられているツールとの連携を見ると、「StarSuite」には、ブラウザからテキストをコピーして貼り付けるといった操作はできなかった。「HancomOffice」では、テキストデータに関してはすべてのツールがブラウザやエディタなどからのコピー、貼り付けに対応している。


今回テストした「StarSuite」や「HancomOffice」だけでなく、Linux上で利用できるOfficeスイート製品は、「KOffice」や「OpenOffice」といったオープンソースのもの、11月に登場するジャストシステム(株)の「JustArks」のようなプロプライエタリなものなど、さまざまな選択肢が利用可能になってきている。現在β版のものが製品化されれば、Linuxデスクトップはますます充実したものになるだろう。

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