HP Mini 1000にWindows 7をインストールしてみた
Windows 7はNetbookでの動作も考慮していると言うが、実際どの程度動くものだろうか。ヒューレット・パッカードのNetBook「HP Mini 1000」を借用して、Windows 7 β版をインストールしてみた。スペックとしてはAtom N270(1.6GHz)にメモリー1GB、60GB HDDなど、ごく標準的なNetBookである。
光学ドライブのないNetbookにWindows 7をインストールするには、外付けのDVDドライブが必要だ。今回はUSB接続の外付けドライブを用意した。また、プレインストールされているWindows XPからのアップグレードではなく、クリーンインストールを選択した。インストール時間はおよそ20分ほどかかった。
新しいOSで最も気になるのが、デバイスドライバーの対応だろう。HP Mini 1000の場合、すべてのデバイスに適切なドライバーがインストールされ、きちんと動作していた。内蔵するWebカメラのドライバーもインストールされていたことには正直驚いた。
次に気になるパフォーマンスに関してだが、β版ということで、本格的なベンチマークテストはしていない。β版でのWindowsエクスペリエンスインデックスは「2.2」。チップセット内蔵のGPUがもう少し高性能だと、スコアも良くなるのではないかと思う。Atom+Intel 945チップセットというハードウェアの限界かもしれない。
印象としては、NetBookをWindows Aeroのユーザーインターフェースで使用したとしても、遅くて使えないというほどではない。それなりのパフォーマンスで動作しているように思えた(クリーンインストールだからかもしれないが)。
ひとつ問題なのは、いくつかのウインドウがHP Mini 1000の画面サイズではぎりぎりになることだ。多くのウインドウは縦600ドットの画面でタスクバーを表示した状態でも、操作できるようにデザインされている。しかし、いくつかは縦600ドットをぎりぎりまで使っているので、タスクバーを隠さないとボタンを押せない場合がある。既存のアプリケーションがNetBookの縦600ドットというものを意識して作られていなければ、Windows 7でもウインドウがディスプレーからはみ出すという状況は変わらない。
執筆時点では、HP Mini 1000上でのWindows 7 β版はまだ1日ほどしか使ってはいないが、それなりに実用的に使えるように思える。Vistaよりもメモリー使用量が減っているので、1GBの環境でも案外きちんと動作している。ガジェットのパフォーマンスモニターを起動してみると、アイドル時でCPU使用率は41%、メモリー使用率が51%程度となる。いくつかのアプリケーションを起動してみても、メモリー使用量はそれほど大きくは増えない。
よりテストを重ねる必要はあるが、少なくともNetbook上でのWindows 7は、Vistaよりも軽いというのは期待できそうだ。
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