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山谷剛史の「中国IT小話」 ― 第39回

権威失墜する中国のアキバ

2008年12月25日 10時00分更新

文● 山谷剛史

「店員の質」が中関村を凋落させる


 日本では「アキバでなくとも、ネットで買えるし、ヤマダ電機でもコジマでもヨドバシでも買える」という現状がある。これと同様に北京でも「中関村でなくとも、ネットで安く買えるし、街中の電脳街や国美・蘇寧でも買える」という現状となってきている。

低層階は客が多く、客引きもやる気があるので一苦労

 しかしアキバがそれでもPCのヘビーユーザーにとってかけがいのない存在であるのは、店員の知識によるものである(マニアックな商品ラインアップが特徴の店もあるが、結局突き詰めれば一部の店員の裁量だ)。

 ところが中関村(というか、中国の電脳街全体に言えることだが)では、電脳街のスタッフの知識は極めて乏しい。彼らはパソコンショップの店員になりたくて電脳街の店員になっているのではなく、単に金稼ぎのため、一獲千金を得るためにパソコンショップの店員兼オーナーになっているのである。

評判の悪い中関村といえど、客の少ない上層階では、悪質な客引きはいない

 (アキバのショップも、商売である以上金儲けが目的ではあるが)商品を売って金を儲けるためだけに店があるので、ただただ取り扱い商品のみを熱心にセールスする。扱ってない商品と比較したり、アドバイスをもらうことはできない。アキバと中関村が時差はあれ同じ道を歩んでいるが、中関村がアキバのようなポジションになれるかは極めて疑問である。

 では中国の電脳街はみな北京の中関村のような結末を迎え、大都市のPCユーザーがネットショッピングに走るかというと、そうではない。

 繰り返すが、北京は中国では最もネットカルチャーが進んでいる都市だ。ほかの都市ではネットショッピングの普及率が低いどころか、1台目のPCを家庭で所有していない若者がまだまだいる。またほかの都市の電脳街は中関村のようなトラブルがかなり少ない。地下鉄が走る都市は少数派だが、バスでも簡単に移動できるほどコンパクトな都市がほとんどだ。他の都市では電脳街の重要性はまだまだあるので、土日になれば電脳街は学生らで活気に満ちあふれるだろう。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影
著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。最新著作は「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)


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