「時間」と「分」を分けて
賃金計算をしたい
ポイント1――「時」を取り出すには HOUR関数
ポイント2――「分」を取り出すには MINUTE関数
この表では、時給1000円、ただし勤務時間のうち1時間に満たないぶんは10分150円として賃金を計算しています。
こういう計算を行なうには、勤務時間の「時間」と「分」とを分ける必要があります。
この例の勤務時間は、「勤務終了-勤務開始」で計算され、E列に「5:40」のような時刻の形式で表示されています。
ここから時間だけを取り出すには、HOUR関数を使います。
また、分だけを取り出すにはMINUTE関数を使います。これらの関数で「5:40」から取り出した時間は「5」、分は「40」です。
時間単位の賃金は「5」に時給1000円を掛ければ求められます。
10分単位の賃金は「40」を10で割った値に10分単位の給料150円を掛ければ計算できます。
なお、H列にはツールバーの[通貨スタイル]ボタンをクリックして「通貨」の表示形式を設定し、「¥」記号と3桁区切りのカンマを表示させてあります。
式の解説
F5 セルの式、G5 セルの式は?
HOUR関数はシリアル値から「時」を取り出す関数。MINUTE関数はシリアル値から「分」を取り出す関数。
- ●指定した時間から「時」を求める
- 書式 =HOUR(シリアル値)
- ●指定した時間から「分」を求める
- 書式 =MINUTE(シリアル値)
知ッ得――MINUTE関数で取り出した「分」を時間単位に直すには?
MINUTE関数で取り出した「分」を時間単位に直すには、取り出した「分」を60で割ればいい。
たとえば、「1:15」の場合、MINUTE関数で「分」を取り出すと「15」となる。これを60で割れば、「0.25」時間になる。
どの時間帯に何時間働いたか求める
ポイント――ある時刻以降に働いたかを調べるには MAX関数
左の表は、入力された出勤・退出時刻をもとに、通常勤務(9:00~18:00)、残業(18:00~22:00)、深夜(22:00~)、それぞれに何時間働いたかを求めています。
計算式は、深夜、残業、通常勤務の順に入力してください。なお、出勤時刻が18:00を過ぎることはないものとします。
ここでは、MAX関数に退出時刻と基準の時刻を指定し、大きいほうの値(遅い時刻)を求めています。
深夜勤務の計算では、MAX関数でD5セルの退出時刻と基準の「22:00」を比べ、遅いほうから22:00を引きます。
もしD5セルの退出時間が22:00より遅ければ、これで深夜勤務の時間が求められます。
残業時間は、退出時間と基準の「18:00」を比べて18:00以降の勤務時間を求め、そこから深夜勤務の時間を引きます。
式の解説(1)
E5 セルの式は?
(D5-C5)で退出時刻から出勤時刻を引いた総勤務時間を求め、この時間から(F5+G5)で求めた残業と深夜勤務を足した時間を引く。
出勤時間が18:00を過ぎるとエラーになるので注意。
式の解説-2
F5 セルの式は?
MAX関数にD5セルの退出時間と残業になる基準時刻の「18:00」の2つの値を指定し、大きいほうの値(遅い時間)を求める。18:00は「”」(半角ダブルクオート)で囲むこと。
そこから18:00を引いて残業の時間を計算する。
この時点では残業に深夜時間も含まれるため、G5セルをマイナスして深夜残業時間を引く。
- ●最大値を求める統計関数
- 書式 =MAX(数値1[,数値2...])
式の解説-3
G5 セルの式は?
MAX関数にD5セルの退出時間と深夜時間になる基準時刻の”22:00”(半角ダブルクオートで囲む)の2つの値を指定し、大きいほうの値(遅い時間)を求める。
そこから22:00を引いて深夜勤務の時間を計算する。
たとえばD5セルの退出時間が25:00なら22:00を引いて深夜時間は3:00となる
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