トラックボールはスイートスポットが狭い?
小西:今回、各社の製品を試用して感じたんだけど、トラックボールにはディスプレーやキーボードに対しての「ベストな置き場所」があるように思う。例えば使い慣れたトラックボールでも、体に対する位置や向きが悪いと操作しにくくて、もぐら叩きの点数が伸びない。
北村:それはあるかもしれませんね。
橋本:テーブルの上で触っていても、すごく違和感がある……。やっぱり(ディスプレーの)上に置かないと、指の精度が違うんですよ……。上に置いてやっていいですか?
――といって、液晶ディスプレーの上にトラックボールを置いて、もぐら叩きを始める橋本。皆それを見て大笑いだが、明らかに指さばきが違い、ゲームの点数も上がったのだから驚きだ――
北村:加速の調整とかも考えると、トラックボールって個人に合わせた設定が、マウス以上にシビアなんじゃないですか。
小西:それはあるね。スイートスポットが狭いとでも言うのか。似た形状でも個人の嗜好が分かれるし、配置も好みもでやすい。だから使いにくいと思われがちなのかな?
広田:マウスは使うだけなら、どれでも使えますからね。
小浜:一回使いなれれば、良さが分かるのに……マウスよりどれだけ優れていることか。
広田:場合によりますが、手に障害のある方でも使えるデバイスですね。
小浜:肩こりも減るかも。狭い空間で無理してマウスを使って肩がこっているような人は、トラックボールを使ってみてほしい。
北村:机の上でかまえて使ってもいいし、膝の上に置いてだらーっとした状態でも使える。これがいい。
トラックボールに求めるものは……
小西:そろそろまとめましょう。皆さんがトラックボールに求めるものは?
広田:一番の不満はケーブルですね。
小浜:Bluetooth対応版にしてくれ!
広田:取材でノートを持っていくときに、有線だとかさばるので、持っていきにくいんです。
小西:無線トラックボールは、そもそも製品が少ないからね。
小浜:玉のバリエーションが欲しいですね。カラーやデザインのバリエーションが。
北村:玉の重さを変えると、使い心地も変わるかな?
小西:光学式になる前は、ケンジントンのトラックボールで玉を交換している人がいましたよ。水晶玉に交換したところ、玉受けが急激に摩耗して、使い物にならなくなったなんて話も(笑)。
ロジクール製品で言えば、「MX Revolution」(関連記事)が装備している「MicroGear プレシジョンホイール」、あれをトラックボールにも装備してほしい! あれはとても使いやすい。でも、トラックボールみたいなマイナー製品には、搭載されないんだ……。
広田:量が出ないですからねえ……。
小西:北村さんの求めるのは、Trackball Explorerの復刻でしょうね(笑)。
北村:まさかマイクロソフト製品が販売終了になるとは思ってませんでしたからね……。いつでも買えるという安心感があって、ひとつしか買わなかった。裏切られた気分ですよ。
広田:あれは復刻してほしいですよね。
北村:ほかには、ゲーミングマウスみたいに解像度の変更ができる機能が欲しいですね。ゲームモードと仕事モードで解像度を切り替えて使える。
小西:いずれにしても、トラックボール自体の評価が改善されないと、我々からメーカーに提案するにしても、説得力がないからね。なんとかトラックボールの復権につながるよう、我々がその良さを広げていきましょう!