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SQL Server 2008で「LAMPからWISAへ」

2008年08月01日 23時32分更新

文● 小橋川誠己/ASCII.jp

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マイクロソフトは、8月1日、「SQL Server 2008」ボリューム・ライセンス版の提供を開始した。パッケージ版の出荷開始は9月19日から。

SQL Server 2008

マイクロソフト(株)業務執行役員 サーバープラットフォーム ビジネス本部長の五十嵐光喜氏


“Launch Wave”の最後を飾るSQL Server 2008


 マイクロソフトは今年、「2008 Joint Launch Wave」と称して、サーバ向けの大型新製品を相次いでリリースしている。2月の「Visual Studio 2008」、3月の「Windows Server 2008」に次ぐ“最後の波”として発売されたのが「SQL Server 2008」だ。同日会見したマイクロソフト業務執行役員 サーバープラットフォーム ビジネス本部長の五十嵐光喜氏は、「すでにSQL Server 2005のときの1.5倍にあたる149社・195のアプリケーションが2008に対応済み。非常によい評価をいただいていることの表れだ」とアピールした。

 SQL Server 2008は、データ圧縮機能に代表される大規模データウェアハウス向けの機能や、透過的データ暗号化機能などのセキュリティ強化が売り(関連記事1関連記事2)。仮想化環境の利用も意識しており、7月に正式版がリリースされたWindows Server 2008の仮想化機能「Hyper-V」に対応している。最上位版の「SQL Server 2008 Enterprise」では仮想OSにいくらでもインストールできる。


「Webエディション」でネットサービスの採用増を目指す


 充実した新機能の一方で、マイクロソフトは価格面での競争力も強調する。

SQL Server 2008

Oracle 11gとの価格比較。仮想化サーバー環境での比較ではOracleの3分の1で済むという

 同社アプリケーションプラットフォーム製品部グループリードの野中智史氏は「SQL Server 2008 Enterpriseと同等の機能をOracle 11gで実現するには、ライセンスだけで3倍以上のコストがかかる。SQL Serverなら圧倒的に低コストで済む」と胸を張る。「Oracleがオプションとしている機能をSQL Serverは標準機能として搭載しているため」という。

SQL Server 2008

SQL Server 2008では新たにWebエディションが追加された

 SQL Serverのラインナップは、CPU数無制限の「Enterprise」のほか、最大4CPUまでの「Standard」、最大2CPU/最大4GBメモリまでの「Workgroup」があるが、2008からは新たに「Web」が追加された。インターネット上に公開するWebアプリケーションでの利用に限定したエディションで、Standard版と同等の機能ながら価格はその半額程度、もっとも安価だったWorkgroupよりも低く設定されている。

 また、SQL Server 2008 Webは、「スタートアップ企業の負担を軽減するため」(五十嵐氏)、ホスティング事業者やASPサービス提供業者向けに、サブスクリプションモデル(月額課金制)でも提供する。人気の高いLAMP(Linux+Apache+MySQL+PHP)に対抗して、「“WISA”(Windows+IIS+SQL Server+ASP.NET)に将来的に塗り替えていきたい」(五十嵐氏)という。

 SQL Server 2008の価格(プロセッサライセンス)は、Enterpriseが290万8800円、Standardが69万8000円、Workgroupが45万300円、Webは42万6000円から。

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