Point 2 ノイズキャンセル機能
エアコンや扇風機、そしてHDDの稼動音などで意外とうるさい室内と、車も人も途切れない都内某駅前ロータリーという屋外で、ノイズキャンセル性能の検証を行なった。
ATH-ANC3とRP-HC55は、ノイズキャンセルをオンにすると明らかな静けさがもたらされる。
特に、低域の騒音に対しての効果は明瞭だ。屋内ではエアコンの稼働音、屋外では人の声や自動車の走行音などが渾然一体としたざわざわという騒音が、すっと軽く薄くなった。ノイズキャンセルをオンにすると、再生ボリュームを少し下げようかという気分になるほど、その効果は明確だ。
HP-NCX77とHP-NLF11Kは、騒音を「ばっさり消し去る」というのではなく、騒音の「音圧を弱める」とでもいうような効き方をする。ノイズキャンセル効果のわかりやすさという意味では、今回の検証ではATH-ANC3とRP-HC55に一歩譲る格好だ。
ちなみに宣伝文句としては(それぞれ測定方法は異なるようだが)、RP-HC55が88%、ATH-ANC3が85%、HP-NLF11Kが82%、HP-NCX77が1/5=80%の騒音低減効果をうたっている。この並び順は、検証時の印象とほぼ合致する。
ノイズキャンセルのオン状態とオフ状態での音質の変化も、オン/オフをこまめに切り替える人には気になる点だろう。
- ATH-ANC3
- オンにすると低域の厚みが増し、ベースラインが押し出される。
- HP-NCX77
- オン/オフしても音の印象はほぼ変わらない。
- RP-HC55
- ノイズキャンセルオフ(電源オフ)のときは音が出ない。
- HP-NLF11K
- オンにするとギターのアタックの瞬間やシンバルなど、中高域の鮮やかさが少し増す。低域の印象はさほど変わらない。
ノイズキャンセルオン/オフでの音質のバラツキが小さいのは、まずHP-NCX77。ついでHP-NLF11Kという印象だった。
この連載の記事
-
第12回
AV
ジルコニアが実現したクリアな響き RP-HJE900 -
第10回
AV
カナル型の手軽さでノイズキャンセルを楽しむ――オーディオテクニカ「ATH-ANC3」 -
第9回
AV
音切れを低減した高音質サラウンドヘッドホン――パイオニア「SE-DRS3000C」 -
第8回
AV
「騒音99%カット」の実力は?――ソニー「MDR-NC500D」 -
第7回
AV
迫力のサラウンドを気軽に楽しむ ソニー「MDR-DS7000」 -
第6回
AV
ロックを疾走させるイヤホン ブイ・モーダ「v-moda vibe v2」 -
第5回
AV
木製振動板ならではの濃密な音色 日本ビクター「HP-FX500」 -
第4回
AV
パッドとノズルで好みの音にカスタマイズ パイオニア「SE-CLX9」 -
第3回
AV
ノイズキャンセルと音質補完技術 クリエイティブ「Aurvana X-Fi」 -
第2回
AV
デュアルドライバーのカナル型ヘッドホン オーディオテクニカ「ATH-CK10」 - この連載の一覧へ