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ASCII.jpヘッドホン研究所 ― 第2回

【いい音手軽に!ASCII.jpヘッドホン研究所】

デュアルドライバーのカナル型ヘッドホン オーディオテクニカ「ATH-CK10」

2008年01月10日 11時00分更新

文● 高橋 敦

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 1~3万円クラスのセミ高級ヘッドホン・イヤホンについてレポートする連載『ASCII.jpヘッドホン研究所』。第2回はオーディオテクニカ(株)のカナル型ヘッドホン最上位機種「ATH-CK10」をレビューしたい。

「ATH-CK10」
オーディオテクニカ「ATH-CK10」

 ATH-CK10(以下CK10)は、イヤホン/ヘッドホンの多彩なラインナップを擁するオーディオテクニカのインナーイヤー型ヘッドホン最上位モデルだ。CK10以前の最上位モデル「ATH-CK9」と同じく、バランスドアーマチュア方式ドライバーを採用している。しかし、CK9が1基のドライバーを搭載するヘッドホンとして一般的な ドライバー構成であったところを、CK10はドライバーを2基搭載した。それにも関わらず、CK10の筐体はCK9よりコンパクトになっているというのもポイントだ。

イヤーピースと比べると本体の小ささが分かりやすいイヤーピースと比べると本体の小ささが分かりやすい

Point 1 デュアル・バランスド・アーマチュア

 バランスドアーマチュア方式は入力信号に対する追従性、微細な信号の再生能力などに優れるとされる一方で、音場の厚みや単体でカバーできる音域の広さなどの点は、一般的なダイナミック方式に及ばないとされる。そこでドライバーユニットを2つ搭載して担当する音域を分担し、各ドライバーの負担を減らして再生能力を高めようというのが、デュアルドライバーの考え方の基本だ。

ハウジング 表 ハウジング 裏
ハウジングはステンレス製で上質な印象を受ける

 同社が「デュアル・バランスド・アーマチュア」と呼ぶ方式もこれに該当する。バランスドアーマチュアならではの繊細な描写力はそのままに、デュアルドライバーによる音の厚みやワイドレンジ再生も期待できるというわけだ。


Point 2 使い勝手への細かな配慮

 イヤーパッドは1種類3サイズが付属。一般的な形状のシリコン製なので装着しやすいが、遮音性は平均的といったところ。

付属のイヤーパッド付属のイヤーパッド。S、M、Lの3種類が用意されている。形状はごく一般的なもの

 ケーブルは左右の線を平型にまとめたタイプでやや太めだが、感触がしなやかなので取り回しも悪くない。

装着スタイルはケーブルを耳の上と耳の下、どちらもサポートしている装着スタイルはケーブルを耳の上に通すスタイルと普通に耳の下に垂らすスタイル、どちらもサポートしており、好みで選べる

 ケーブルのほどよい長さもポイントだ。国内ヘッドホン製品は一昔前の“リモコン付きカセット/MDプレーヤー”をいまだに意識してか、“50cm程度の本体ケーブル+延長ケーブル”という構成のものが多い。しかし現在は、リモコン付きの携帯プレーヤーは皆無。本製品の1.2mというケーブル長は、プレーヤーに直接接続して利用するという現状に合った、適当な長さと思える。

装着プラグはストレート型で、携帯プレーヤーと組み合わせるのに適する装着プラグがストレート型である(L字型ではない)点も、携帯プレーヤーとの組み合わせたときに収まりがいい

Audio Check!

 今回も、再生環境は第3世代iPod nanoもしくはAirMac Express+DAC/ヘッドフォンアンプ(izo iHA-1A)を使用した。再生ソースはAppleロスレス形式で無劣化圧縮したファイルである。

 注意すべき点としては、イヤーパッドの適切なサイズ選択は重要だが、この製品ではそれ以上に、イヤーパッドを耳に押し込む深さでも音質が激変した点だ。意識して深く押し込まないと、低域がかなり薄くなる。試聴はベストと思われる装着位置で行なった。

「To The Limit」(FAKiE)
 音のキレ味が鋭い。ナイロン弦ギターの張りの強さまで感じさせ、ハーモニクス奏法での澄んだ音色や、その余韻も見事。ボーカルの爽やかさとサビで突き抜ける感じもよく引き出せている

「Lush Life」(Jacintha)
 シンバルの粒子感は細かく、金属的ではあるが耳に痛い音色にはなっていない。声の輪郭のふわりとしたソフトフォーカス感も再現。スネアドラムのスナッピーの響き(金属共鳴)もしっかり伝えてくる。ウッドベースは期待していたほど重く深くは沈まないが、輪郭は明瞭だ。

「Octavarium」(Dream Theater)
 プログレッシブメタルで音数がとにかく多いのだが、その音場をクリアに描き出す。低域の暴力的な迫力は少々物足りないが、解像度は最高レベルと言ってよい。

 デュアルドライバーということで低域の豊かさも期待されるところだが、同社のヘッドホン製品は低域方向を引き締める傾向があり、CK10も例外ではない。デュアルドライバーは中低域の厚みではなく、全音域の描写力・解像度を高める方向で活かされているようだ。


総合評価

 CK10は“クリア指向・解像感”重視という、同社製品らしさの延長線上にあるハイエンドモデルである。同社の従来製品を使用中で「さらに上の音がほしい」という人には、まさに「これでしょう!」という製品だ。

 価格帯にふさわしい高音質と国内製品らしい使い勝手の良さを両立している点も高く評価できるポイントだ。音か使い勝手かの二択を迫られないのはいい。

ATH-CK10 製品情報
製品名 ATH-CK10
ドライバー バランスドアーマチュア型×2
感度 107dB/mW
再生周波数帯域 20Hz~15kHz
インピーダンス 55Ω
入力コネクター 3.5mmステレオミニプラグ(金メッキ)
ケーブル長 約1.2m
質量 約4g(ケーブル除く)
付属品 イヤーピース(S、M、L)、キャリングポーチ、クリーニングクロス
価格 3万7800円

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