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モバイルが変わる!? Centrino Atom入門――(後編)

“少数精鋭”で低消費電力を目指したAtom

2008年06月01日 12時00分更新

文● 山本雅史

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Atom用に設計されたチップセット「SCH」

SCHとAtom SCHチップセット(右上)とAtom。90nmプロセスで製造され、機能も多いためチップセットの方が大きい

 前回述べたとおり、Centorino AtomはAtomプロセッサーと、Atom専用にデザインされたインテル システム・コントローラー・ハブ(以下SCH)で構成される。

AtomとSCHからなる機器の基本構成図。SCHにはGPUからメモリーコントローラー、I/Oまで多くの機能が詰め込まれている

 SCHは、GMCH(グラフィックス・メモリー・コントローラー・ハブ、いわゆるノースブリッジ)とICH(I/O・コントローラー・ハブ、いわゆるサウスブリッジ)の機能を1チップに統合したものだ。以下のように3種類のバリエーションがラインアップされている。

SCHのラインアップ

名称 外部GPU ビデオ再生支援 表示解像度 メモリー GPUクロック TDP
US15W HD 1366×768 DDR2-533/400(最大1GB) 200MHz 2.3W
US15L HD 1366×768 DDR2-533/400(最大1GB) 200MHz 2.3W
US11L × SD 800×480 DDR2-400(最大512MB) 100MHz 1.6W

 SCHはAtomと同じく、C6ステートをサポートしている。SCH自体も各ブロックをモジュール化して、動作していない部分の電源をOFFにする機能を持ち、動作時の消費電力を小さくしている。

SCHの基本機能 SCHの基本機能。特に内蔵グラフィックス機能が強力になっている

 SCHはDirectX 9とOpenGLに対応したグラフィック機能(GPU)「Intel GMA500」を内蔵している。GMA500はインテルの独自開発品ではなく、Imagination Technology社の「POWERVR SGX」コアを採用している。。POWERVRといえば、昔懐かしい家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」にも採用されていたGPUだ。SCHのPOWERVR SGXは、当然ながらドリームキャスト時代のものから数世代分進化したものだ。。インテルのデータシートによると、Shader Modelの対応は“3.0+”と記載されている(GeForce 6~7世代と同等)。

 GMA500はディスプレー出力として、LVDSとSerial DVO(SDVO)の2種類をサポートしている。LVDSはオンボードのディスプレー出力として、DVI出力やHDMI出力に使われる。解像度は1366×768ドット(24bitカラー)。SDVO出力は追加のディスプレー出力用で、1280×1024ドット、あるいは720P/1080iのデジタル/アナログ出力に利用される(最も低消費電力のUL11Lは800×480ドット)。

 さらにGMA500には、Imagination Technologyのビデオ再生支援機能の「POWERVR VXD」も搭載されている。このビデオ再生支援機能では、H.264/VC1(WMV9)/MPEG-2/MPEG-4など、メジャーなビデオコーデックの再生をハードウェアで行なう。そのため、CPUパワーがそれほど無いAtom搭載マシンでも、SCHを組み合わせればHDクオリティーの映像が再生できる

 モバイル向けながらHDビデオが再生できるのは、SCHを単なるモバイルパソコン向けだけではなく、より広い分野へ応用しようと考えているのだろう。

 搭載メモリーに関しては、DDR2-533/400の最大1GBまでとなっている。Windowsを動作させるには、メインメモリーが最大1GBというのは物足りない。しかし、Linuxベースの組み込み機器用OSを利用するには、十分かもしれない。

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