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5分で分かるAtomノート

2008年08月01日 09時00分更新

文● 細谷 滝音

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WILLCOM D4

重さたった470gのAtomマシン「WILLCOM D4」

 最近、低価格小型ノートPCが人気だ。小さな筐体に必要十分なスペックが受けて、MSI「Wind Notebook U100」など、人気商品はあっという間に売り切れてしまう。その中でも、大本命と言われているのがインテルの新CPU Atom搭載マシンだ。ここで、もう一度Atomについておさらいして、どんなマシンがあるかを紹介しよう。



そもそもAtomってなんだ?


Centrino Atomのロゴ

「Intel Centrino Atom プロセッサー・テクノロジー」のロゴマーク

 インテルはAtomだけでなく、超低電圧版のCore 2 DuoやIntel A110プロセッサーなど、モバイル用CPUを提供してきた。だが、AtomはこれらのCPUとは異なる発想で作られている。Atomが狙うのはズバリ消費電力(TDP)の低減。性能はそこそこでいいからとにかく小さくて安くすることを狙ったCPUなのだ。それを実現するキーがトランジスター数の削減である。

 トランジスター数で比較すると、Core 2 Duoの約4億1000万個に対して、Atomでは約4700万個。約1/9しかない。トランジスター数を減らすことで消費電力を減らし、CPUも小さくなり、さらには生産コストも下げることができる。

 では、ほかのCPUと比べて、TDPや価格はどれくらい違うのだろうか。例えば、超低消費電力版Core 2 Duoで最も速いU7700(1.33GHz)のTDPは10W。Atomで最も速いZ540(1.86GHz)は2.4Wだ。つまり、圧倒的な差がある。価格も7月20日付けの発表によれば、1000個ロットの価格がU7700が316ドルに対して、Atom Z540が135ドルとかなり安い。

 さらに、消費電力を減らすため、現行のCore 2 Duoが採用している「C6ステート」という低消費電力モードもサポートしている。Atom Z540だとC6ステート時のTDPは100mWにまで下がる。インテルによれば、マシンを使っているときの90%はC6ステートになるというから、徹底した低消費電力化が計られていることになる。ただし、このC6ステートは後述するAtomのNシリーズではサポートされていない。

 何より気になるのが実際のパフォーマンスだが、最大1.86GHzといったクロック周波数だけを見て期待すると、肩すかしを食らってしまうかも知れない。Atomはトランジスター数の少なさを補うために、シングルコアを高クロックで動作させるというCPUだ。そのため、Core 2 Duoなどと比べてクロックあたりの処理能力は低い。詳細なベンチに基づくものではないが、おおよそ同クロックのPentium M(Dothan)の半分程度の処理能力と言われている。

 これをどう取るかは微妙なところだが、実際の使用感はOSの違いにも作用するし、また後述するチップセットによる動画再生支援機能なども考慮する必要がある。つまり、製品選びにはCPU以外にも見るべき要素が多いということだ。

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