このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

Atomで検証! 小型PCの実用性 第1回

Atom登場で加速するMini-ITX! お手頃AtomでミニPC自作入門

2008年08月25日 21時00分更新

文● 山田 広樹

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

今さら聞けない?!
Atomの基本のキホンをおさらい

 「Atom」(アトム)はインテルが開発した超小型端末/低価格PC(MIDやネットブック/ネットトップ)向けのCPUだ。低価格とモバイル向けに“性能”よりも“低消費電力”と“低発熱”にフォーカス。発熱・消費電力量の指標となるTDPはモバイル向けCore2 Duoの1/10近くと、驚異的な数値を示している。

Atom

Atomプロセッサー

大きさ比較

Atomプロセッサー(左)とSCH(右)、1円硬貨のサイズ比較。Atomは1円硬貨よりも小さい

 低消費電力・低発熱に加え、性能にもこだわりが感じられる。AtomはシングルコアCPUながら、ラインナップの一部にPentium 4時代に投入された“HyperThreading”を復活させて搭載。疑似デュアルコアCPU化することで、マルチタスク環境での性能を向上させているのだ。
 なお、8月19日、インテルは真のデュアルコアAtom「Atom 330」を搭載したマザーボードを発表。現点ではTDPやHyperThreadingの有無(疑似クアッドコア駆動)はもとより、駆動クロックすら未公開だが、従来モデルより性能が大幅に向上していることは間違いないだろう。

Atomのラインナップ
モデルナンバー N270 230 Z540 Z530 Z520 Z510 Z500
動作クロック 1.6GHz 1.6GHz 1.86GHz 1.6GHz 1.33GHz 1.1GHz 800MHz
コア数 2 2 2 2 2 1 1
2次キャッシュ 512KB 512KB 512KB 512KB 512KB 512KB 512KB
TDP 2.5W 4W 2.64W
(HT使用時)
2.2W
(HT使用時)
2.2W
(HT使用時)
2W 0.65W

N270と230ってナニが違うの?

 前提として「N270はノート向け」、「230はデスクトップ向け」というラインナップの方向性の違いがある。もっとも大きな違いとして、ノート向けのため、N270は省電力機能を強化。230がC1ステート(CPUを低クロック動作させ、消費電力を下げる)までの対応なのに対し、N270ではより高度なC4ステート(CPUコア停止などにくわえ、CPUキャッシュへの電力供給を抑制)に対応することで、全体としてより消費電力を抑えることが可能。消費電力を抑えることで発熱も少なくなり、TDPが低下。TDPが低下すれば、ノートは冷却系を簡素化でき、設計が容易になる。
 ただ、より高度な省電力機能を搭載するため、N270は(性能的には同じレベルながら)230より高価になっているという。

Atomプロセッサーのダイ

Atomプロセッサーのダイ写真

AtomでミニPCを自作しよう!

 現時点では、AtomはCore 2などのように、一般ユーザーに対してはCPU単体では販売されていない。マザーボードに直付けされたものがあるのみだ。そのAtom搭載マザーにはインテル製「D945GCLF」(実売価格1万円前後)、ギガバイト製「GA-GC230D」(実売価格1万1000円前後)などがある。Atom搭載PCは、CPU+マザーが1万円前後で購入でき、かつてないほどのお手軽自作が可能なのだ。各製品とも搭載CPUなどの基本的なスペックは変わらないが、拡張スロットやBIOSの設定などにメーカーの特色が出ている。次ページではそのAtom搭載マザーボードを紹介しよう。

Atom 230

Atomはマザーボードに直付けされているためCPU交換はできない

(次ページへ続く)

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中