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『仮想化』――いま何が起こっているのか/日本仮想化技術の宮原社長に聞く<1>

VMwareのブレイクはMacBook&Vistaにアリ

2008年05月08日 05時00分更新

文● 小橋川誠己/アスキーネタ帳編集部

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 コンシューマからエンタープライズまで、いま熱い視線が注がれているテクノロジー「仮想化」。コンシューマでは「VMware Fusion」や「Parallels Desktop」によるPCの仮想化が、エンタープライズでは「VMware」や「Xen」によるサーバ仮想化が、大きな注目を集めています。

 仮想化が、コンピュータの世界にいま何を引き起こしているのか。そもそも、なぜ、いま、仮想化なのか――。本特集では、そうした疑問を専門家にぶつけながら、仮想化トレンドの実態に迫っていきます。

 第1回は、日本仮想化技術(株)の代表取締役社長兼CEO、宮原 徹さん。まずは、コンシューマの仮想化の状況について、お話を伺いました。

宮原社長

お話を伺った、日本仮想化技術の宮原 徹代表取締役社長兼CEO。東京・五反田の「EARTH CAFE」にて。


Macユーザーから支持集める「Fusion」と「Parallels」


 コンシューマ、それもMacユーザーの間で支持を集めている仮想化ソフトがあります。それがヴイエムウェアの「VMware Fusion」(以下、Fusion)です。Fusionは、Intel Mac用の仮想化ソフトで、Mac OS X上に構築した仮想環境でWindowsなどのゲストOSを起動できます。昨年夏の発売以来、先行する「Parallels Desktop」(米パラレルズ製)と並び、Macユーザーの間で人気のソフトです。

VMware Fusion

ヴイエムウェアの「VMware Fusion」。Mac OS X上でWindows Vista(画面左側のウィンドウ)が動いている

「去年、一昨年あたりから、MacBookのユーザーが増えたように思います。その理由の1つには、“仮想マシンが使えること”が挙げられるのではないでしょうか」。日本仮想化技術(株)代表取締役社長兼CEO、宮原 徹さんはそう語ります。「特に技術者の間では、仮想マシンが当たり前のように使われている」というのが宮原さんの見方です。

「以前はMacが使いたくても、“Windowsがないと仕事にならない”ということが多かったと思います。でも、今は“仮想マシンがあればそれでいいよね”という空気が広がってきています」。

 特にビジネス系のアプリケーションはWindowsでしか動作しないものが多く、インターネットサービスにしても、Internet Explorerでなければ利用できないなものもあります。また、Microsoft Officeのように、ソフト自体はMacで使えても、ファイルの互換性確保が難しいこともあるでしょう。そう考えると、FusionやParallelsがMacユーザーに支持されるのは、当然といえば当然なのかもしれません。


Boot CampがあってもFusion、Parallels


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