マイクロソフトはサーバ環境の包括的なシステム管理を実現する「System Center Server Management Suite Enterprise ライセンス 日本語版」を1サーバあたり10万3400円で提供開始した。同社はユーザー企業のITインフラの強化施策として、システム管理製品「System Center」とセキュリティ製品「ForeFront」をあわせた提案を行なっていく。
包括的なシステム管理をサーバ上で実現するスイート
6日、マイクロソフトは、ITシステムの管理製品「System Center」のスイート製品として「System Center Server Management Suite Enterprise ライセンス 日本語版」(以下、Server Management Suite)を提供開始した。
サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 五十嵐光喜氏は「運用・構成管理やデータ保護、仮想化管理などサーバ環境の包括的なシステム管理を実現することができる」と同製品の特徴を述べる。
Server Management Suiteはすでに8月から単体で提供されているシステム監視製品「System Center Operations Manager 2007」に加え、下記の3製品の管理ライセンスを統合したもの。
- ・「System Center Configuration Manager 2007 日本語版」(以下、Configuration Manager)
- Windowsプラットフォーム上のレジストリ設定やパッチなどのシステム構成を管理する。
- ・「System Center DataProtection Manager 2007日本語版」(以下、DataProtection Manager)
- ファイルサーバやアプリケーションサーバ、デスクトップのデータなどをバックアップや復元するためのデータ保護ソリューション。
- ・「System Center Virtual Machine Manager 2007日本語版」(以下、Virtual Machine Manager)
- バーチャルマシン環境の一元管理機能に加え、リソースや仮想化サーバの最適化を実現する。
今回、Server Management Suiteに含まれるコンポーネントの中で、注目すべきものはVirtual Machine Managerだ。通常サーバ管理製品のライセンスは仮想環境上にあっても、稼働しているOSの数だけ必要となる。しかし、本製品のライセンスは物理的なサーバ単位での契約になるため、サーバ内に仮想環境がいくつ稼働しても、ライセンス費用が上がらないというメリットを持つ。五十嵐氏は「将来的にWindows Server 2008のような仮想化環境を実現するサーバが増えていくことを想定して、仮想化の運用管理に最適なソリューションを実現した」と自信を見せる。
Server Management Suiteの価格は1サーバあたり10万3400円。サーバープラットフォームビジネス本部 マネジメント&セキュリティ製品部 マネージャ 深瀬正人氏は「より多くのユーザーに使ってもらうため、他社の約5分の1という圧倒的な低価格で提供する」とその価格戦略を強調する。
なお、Configuration ManagerとDataProtection Managerを単体で購入する場合のライセンス料金は、1サーバあたり5万1200円。現時点ではVirtual Machine ManagerはServer Management Suiteのコンポーネントとしてのみ利用可能。単体製品は「Virtual Machine Manager Workgroup edition」として、来春の発売を予定している。
五十嵐氏は同社の今後のITインフラ強化施策について「システム運用とセキュリティをあわせてユーザー企業に提案していく。System Centerとセキュリティ製品『ForeFront』によって、よりセキュアなIT基盤を実現していく」と締めくくった。
なお、マイクロソフトは同日、ForeFront Server Security製品の構成や展開を統合管理することができる「Microsoft ForeFront Server Security Management Console」の日本版をあわせて提供開始した。