Macworld 2008 リポート Vol. 7
「Mac」が主役に返り咲き──波に乗るアップル、活気に溢れるMacworld会場(前編)
2008年01月21日 17時00分更新
ガジェット、音楽、ファッション……
その盛り上がりが、iPodの発売開始後の2002年当たりからさらに加速する。まず飛びついたのが、ガジェット関係のメディアだ。
日本にも数誌あるが、米国やヨーロッパにも同ジャンルの媒体は実に多い。ちなみに日本とはまったく違った体裁で、ガジェット+肌もあらわな女性を組み合わせた写真を使っている雑誌をよく見かける。
そして「iTunes Music Store」(現、「iTunes Store」)が登場すると、音楽関係のプレスが急速に増え始める。さらに著作権関係の記事を執筆する人たちの関心も集め始めた。
2004年のiPod miniの発売から半年くらいすると、今度はファッション系の雑誌も注目し始めた(今はやや落ち着いている。アップルもそういったプレス向けにはMacworld Expoとは、別の取材の場を用意しているようだ)。
今年、巻き込んだ分野は?
では、今年はどうなったか、お分かりだろうか?
ヒントとして基調講演の日の朝、会場に向かうタクシーの運転手の言葉を紹介しよう。彼はまだ米国にきて間もない、アラブ系のタクシー運転手だった。タクシーが赤信号でアップルの直営店「Apple Store San Francisco」の前に止まった。私がApple Storeを凝視しているのを見て、彼が親切に教えてくれた。
「オマエ、あの会社、なんの会社だか知っているか? あれは電話を作っている会社だ」
そう、今年は携帯電話系/テレコム系のジャーナリスト達が、大勢参加していたのだ。日本からも著名な携帯系ジャーナリスト、モノ雑誌の携帯電話担当者などが出張して来ていた。
2007年、彼らジャーナリストは、携帯電話の新トレンドを求めて、Macworld Expoと同じ時期に開かれる「International CES」に参加した(関連記事)。
しかし、昨年1年を通して最も話題になった携帯電話はCESの会場ではなく、同時期に開催していたMacworld Expoで発表され、多くの携帯電話系ジャーナリストが、その歴史的発表を見逃した。辛口コラムニスト、ジョン・C・ドヴォラックにも「今年のCESで最大のニュースはCESの会場ではなく、(Macworld Expo)San Franciscoで、iPhoneが発表されたこと」と言わしめたほどだ。
もっとも、いくら昨年が凄かったからとはいえ、携帯電話系ジャーナリストも、Macworld Expoだけに来て、CESを無視するわけにはいかない。
幸いなことに今年のMacworld Expoの開催時期は、CESの1週間後だった。つまり、CESで他社の携帯事情を取材した後、Macworld Expoに来ることも十分可能だった(日本など海外から来ている人は、中4日あるので滞在費がかさんでしまうが)。