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Macworld 2008 リポート Vol. 5

「Goodbye, MD」の次は、「Goodbye, 光学式ドライブ」──林信行が読み解くMacworld

2008年01月19日 03時20分更新

文● 林信行

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「Thinnovation」よりディスクレス


 15日、米アップルはスティーブ・ジョブズCEOによる「Macworld Expo」基調講演を通して、MacBook AirやTime Capsule、iPhone/iPod touch/Apple TVの新ファームウェア、そして新サービスとなる「iTunes Movie Rental」を発表した。

MacBook Air
「MacBook Air」を持つスティーブ・ジョブズCEO

 アップルのブースに足を運ぶと、一番人が集まっているのは「Thinnovation」(薄さのイノベーション)をうたうMacBook Airのブースだが、個人的にはこれに負けず劣らず重要なのが、iTunes Movie Rentalではないかと思っている。

 実はMacBook AirとiTunes Movie Rentalは、共通の重大な方向性を指し示している。

 それが「ディスクレス」だ。

 Macworld Expo前週に開催されたCES(International Consumer Electronics Show)では、これまでBlu-rayとHD-DVDの2つのフォーマットを採用し、様子見をしていた米ワーナー・ブラザーズが、Blu-ray1本に絞る方針を打ち出したことが大きな話題となった。

 これで長かったフォーマット戦争が決着しそうで、Blu-rayの時代がやってきたと胸をなで下ろす人もいる。

 そうしたひとつのトレンドから少し離れた場所にアップルは立ち、「もしかしたら、そもそもディスクなんていらないんじゃないか」と提案しているのだ。



3.5インチフロッピーは、採用も廃止も一番乗り


 1984年に登場した初代Macintoshは、後にすべてのパソコンで当たり前となる3.5インチフロッピーディスク採用の先駆けとなった。

 初代MacにはHDDがなく、OSもアプリケーションも、それで作成した書類も、すべてフロッピーディスクに保存する仕様だった。アップルは、そのフロッピーディスクドライブとして、既に実績を築いていた8インチや5インチのものではなく、ソニーが開発したばかりの3.5インチ版を採用することを決めた。

 ここから6〜7年をかけて、5インチフロッピーが主流であったPCでも、3.5インチが主流となっていったのだ。

 だが、このフロッピーディスクを真っ先にやめたのもアップルだった。

初代iMac
初代iMac

 1998年、鮮烈なデビューを飾った初代iMacには、何とフロッピーディスクドライブが搭載されていなかった。

 マスコミは「フロッピーディスクを搭載していないパソコンで、どうやってファイルの受け渡しをするんだ。こんなものが売れるわけがない」と非難をした。実際、当時はまだフロッピーディスクに収まって流通しているMac用ソフトも、まだまだたくさんあった。

 だが、スティーブ・ジョブズは「われわれはいくつかのフロッピーディスク工場を見学して、フロッピーが減産体制に入っていることに気がついた」と語った。

 ジョブズの嗅覚が、フロッピー時代の終焉をかぎとったのだ。



ディスク市場を支配し続けるアップル


 実はMacはCD-ROM採用でも先駆けとなっている。1992年に当時のアップルCEO、ジョン・スカリー氏が箱根で「マルチメディア国際会議箱根フォーラム」を開催し、富士通をはじめとする日本のメーカー数社にCD-ROMドライブの採用を呼びかけたのだ。

 実際、アップルもそのすぐ後にCD-ROM内蔵Macを発売している。パソコンの光学式ドライブは、ここから一気に広まった。

 しかし今回のExpoで、アップルは積極的に「光学式ドライブ不要」の路線を打ち出したのだ。

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