日本主導の主な新機能
多数のテンプレートを備えるOffice 2008。その種類は多岐にわたり、Wordでは、世界共通のテンプレートだけでも約80点ある。これにプラスして、日本でよく使われる年賀状や引っ越しのお知らせといったはがきのテンプレートが目的別に用意されている。デザインについても一般的なものからエッジの効いたものまで幅広く取りそろえており、その数は100点にのぼる。これらは日本で企画から作り起こされた独自のものだという。
ネットブートの正式サポートも、日本からの働きかけや国内での動作テストによって実現した機能だ。東京大学情報基盤センターをはじめ、全世界的に見てもMacのネットブートを採用している事例が国内に多く存在しているという。Tiger/Leopardの両OSでテストしており、ローカルにフォントをコピーせずに使用できるといったセットアップのオプションについても、日本から提案した事項とのことだ。
「Office 2008 for Mac」で、ユーザーからのニーズに応えて実現した機能のひとつに、日本語入力環境の向上が挙げられる。「日本語入力ソフトでもないのになぜ?」と思うむきもあるだろうが、その秘密は「TSM Document Access」にある。これは日本語入力ソフトが解析にも利用するAPIのひとつで、アプリケーションが「TSM Document Access」に効率よく情報を提供することで結果的に変換精度が向上するわけだ。また、国語/英和/和英/類義語などの辞書機能も強化されている。
インストーラーとインターフェース
Mac版Officeではもともと独自のインストーラーを用意していたが、本バージョンからアップルインストーラーを使用するように変更された。これは、OS Xサーバーのネットワークが組まれているところであれば、一括インストールができるなど、ビジネスユースにおいての利便性向上を意図したものだ。
ほかにも、Office 2008全体を通じたポイントとして、「ツールパレット」のユーザーインターフェースがわかりやすく、よりMacらしい作りになったことが挙げられる。
例えば、ファイル上のオブジェクトをクリックして選択すると、パレット上のそのオブジェクトの種類に合った適切なツール個所を表示。また、ジニーエフェクトを使ったダイアログのアニメーションは、その位置によって動きが変わるなど、細部まで作り込まれている。
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