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MS社員でも「Macに熱心」 Mac版Office開発の舞台裏

2009年05月14日 11時30分更新

文● 広田稔/ASCII.jp編集部、MacPeople編集部

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 Windows版との互換性を保ちつつ、Mac版独自の機能も盛り込んで進化を遂げている「Microsoft Office 2008 for Mac」(Apple Storeで見る)。

 そのMac版をマイクロソフト内で開発している「マッキントッシュ・ビジネス・ユニット」(Mac BU)は、サードパーティーとして最大のMacデベロッパーでもある。Mac BUは次期Mac版Officeで何を目指しているのか? 開発体制や組織の雰囲気も含めて、米国の開発スタッフに聞いた。

Microsoft Office 2008 for Mac。価格は通常版が4万9800円、Expression Media付きが5万2800円、ファミリー&アカデミック版が2万2800円


Macの仕事でなければMSにいないという開発者も

── まずは組織の規模を教えてください。

ジェフ氏:Mac BUは主にエンジニアで構成されており、米国を中心に全世界で230人ほどです。エンジニアはプログラマー、テスター、ユーザーエクスペリエンス担当といった、職務に分かれています。

── どんな開発チームを組んでいますか?

ジェフ氏:Excel、Wordといった具合に、ある程度製品ごとにチームを分けていますね。ほかにも、全体の3分の1ほどはすべてのアプリケーションに関わるコア部分を作るチームで、複数のプロジェクトを兼任している者もいます。

米マイクロソフト社Mac BUプロダクトユニットマネージャーのジェフ・プライス氏(右)は、Mac関連の製品すべてのエンジニアリングチームとデザインチームを統括。プログラムマネージャーのエリック・ラッカー氏(左)は、もともともWindows版Officeの開発に長く携わっていたが、1年前からMac BUに参加したという

── マイクロソフトといえばWindowsの会社です。そんなマイクロソフトの中にあって、Mac BUの人々はMacが好きだったりするんでしょうか? 「会社から命令されて、無理矢理やっているのでは」と穿った見方もされそうですが……。

ジェフ氏:もともとMac向けOfficeのグループが編成されたときは、「次のMac向け製品はあなたたちが担当しなさい」という社命で人材が集められました。そして最初にリリースした製品が「Microsoft Office 98 Macintosh Edition」です。そのあとに「本当にMac向けの人材なのか」という組織の見直しがあって、Windows版Officeの組織に戻った人もいます。

 10年を経て今では独立した組織として機能していて、Macに熱心な人材も多く集まりました。もちろん、「PCもスゴいと思うけど、Macにも興味がある」という開発者もいますよ。全員が「Macオンリー」というわけではありませんが、Macの仕事でなければマイクロソフトに勤めていないだろうという人がいるのも確かです。

エリック氏:Mac BUの開発者は、MacとPCの両方を持っている人がほとんどです。私はPCが5台、Macが1台。ジェフの場合は逆かもしれません。両環境における互換性やコラボレーションについては自信があります。

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