年功序列社会が崩壊し、1円起業が恒常化した現在、「起業」という働き方への注目が高まっています。SEとして、会社に残るのも一つの道ですが、起業という選択肢もあるのです。では、どうすれば起業できるのか。起業したその先は何を目指していけばいいのか。本連載では、SEのための起業成功法について、考えていきます。
起業事例で、連載を復習!
さて、ここまでの連載(第1回~第9回)では、起業の心得、組織の種類、さまざまな経営手法について解説してきました。今回はSEから起業家へ転身した事例を紹介し、ポイントとなる箇所をあげながら復習していきたいと思います。
・創業時の工夫~株式会社プラージュ 磯 浩一郎さんの場合~
・仕事受注のポイント
・会社の戦力を考える。 団塊ジュニアのマーケットをにらんだSNSを運営
・優秀な技術者が欲しい! 人材採用について
・経営者、マネジャーとして大切なこと
・OKUYAMA’S EYES~まとめ~
創業時の工夫~株式会社プラージュ 磯 浩一郎さんの場合~
NTT-MEに4年間勤務後、2001年27歳で有限会社イソイソドットコム(現・株式会社プラージュ)を創業した磯 浩一郎さん。起業したきっかけは、自宅で内職的にWebサイト作りを始め、バナー広告で課金をはじめた結果、「これでいけるんじゃないか」という手応えを感じたからだといいます。また、会社に勤めて4年くらい経つと、「ああ、多分、出世も課長どまりかなぁ」と先が見えたとか。そしてその後まもなく起業。もとから何か自分でやりたいという気持ちが強くかったそうです。
「NTT-MEへの入社後、最初の仕事は自社のWebサイトの制作を担当したしました。その後、内職としてWebサイト制作業を会社に勤務しながらスタートしたのです。1997年当時、まだWebサイトが全然浸透していなかった時代です。内職はバナーで課金で月20~30万ほど稼いでいました。しかし、何年か経過した後、バナー広告の単価が下がってしまい無理だという判断を下し、現在のような企業から請け負うWebサイトの制作を業務を主力にしたのです。また、これらは最初すべて自己資金でまかない、その後有限会社から株式会社へ組織変更し、ビジネスを本格化していきました。現在のオフィスに移ったのも2年くらい前です。それまでずっと所沢の自宅でやっていました」
磯さんは、NTT-MEにいた頃は情報システム部に配属され、主にサーバーの構築、ルーターの設定、ネットワーク系の仕事など広く浅く、何でもやっていたといいます。そして会社に勤務しながらバナー広告の課金→サイトの制作と歩みを進め、手ごたえを確認しながら起業スタートし、資金も自己資金ですべてまかない徐々に会社を拡大していくという方法は、起業時の不安定さを乗り切る手段といえるでしょう。
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