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米国IT事情を探る 第3回

ネットとリアルのコミュニティーはひとつになり始めている

2007年02月16日 20時00分更新

文● 遠竹智寿子

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 少し前の話になるが、通称“ダボス会議”として知られる“世界経済フォーラム(WEF)”の年次総会が、今年も1月24~28日に5日間の日程で開かれた。

 今さら言うに及ばないが、ダボス会議とは毎年1度、スイスの保養地ダボスで、世界中の経済人、企業トップ、政府首脳らが一堂に会して、政治や経済の動向を議論する世界最大規模の経済会議である。別名“サミット・オブ・ザ・サミット”や“影のサミット”などとも呼ばれている。

米国IT事情(3)

世界経済フォーラムのウェブサイト



ネットベンチャーの活躍が目立つ


 今年は“The Shifting Power Equation”(移り変わる力の均衡)をテーマに、90ヵ国から約2400人が参加。深刻化する地球温暖化の問題を始め、中東情勢や核問題まで広範な討議が交わされた。

 昨年は、中国、インドの経済発展に聴衆の関心が集中していたが、今年は多角的な視点からの“経済のグローバル化”やその背景にある“Web 2.0”といった話題もあり、“YouTube”や“SecondLife”など米国の主要なネットサービスの創設者や経営者たちも参加してのセッションがいくつか繰り広げられた。

米国IT事情(3)
米国IT事情(3)

ビル・ゲイツ氏(左)とチャド・ハーレー氏(右)。WEFの公式ビデオキャストから

 マイクロソフトのビル・ゲイツ氏とYouTubeのチャド・ハーレー氏が壇上に並んだ光景を見ると、ネット界での新鋭ベンチャーの活躍ぶりを実感せざるを得ない。



米国ネットサービスの現状が分かるCNNのセッション


 さて、放送局のCNNは、当地ダボスで“CNN Connects: Our Networked World”と題したセッションを開催した。Web 2.0時代のコミュニケーションのあり方やジェネレーションギャップなどを問うものである。YouTubeで人気がある“79歳の老人”の話、中国での検閲システムの様子や、米国の大人気番組『アメリカン・アイドル』の投票システムが「アメリカ人のケータイのテキストメッセージ使用率を格段に上げた」といった話題も出て、なかなか面白かった。今回は米のネットサービスについての説明を加えながら、セッションの様子を紹介したいと思う。

 CNNアンカー、ベッキー・アンダーソン氏が進行役を勤めるセッションに登場したのは次の5人だ。

  • ヨーロッパの携帯プロバイダーOrangeのCEO、サンジブ・アフジャ氏
  • 米国の写真共有サイト“Flickr”の共同創設者カテリーナ・フェイク氏
  • ロイターCEOのトム・グローサー氏
  • 三次元仮想都市“SeconLife”を運営するリンデン・リサーチのChariman、ミッチ・ケイパー氏
  • 学生向けSNSとして、米国で爆発的な人気を得た“Facebook”の創設者マーク・ズッカーバーグ氏

 ここで、多少説明を加えておきたいのが、アメリカでブームを起こしているSecondLifeについてだ。

(次ページに続く)

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