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アスキー腕時計人気ブランド図鑑 ― 第7回

絶対に後悔しない腕時計選びのために──名門時計ブランド・その魅力と定番モデル

タグ・ホイヤーが復刻した腕時計「キャリバー11」が愛され続ける理由

2019年01月05日 16時00分更新

文● 渋谷ヤスヒト

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前回は、1963年に誕生し、タグ・ホイヤーの中でも最も人気の高いスポーツウォッチコレクション「タグ・ホイヤー カレラ」をご紹介しました。第7回となる今回は、機械式時計で「世界初」を実現したというエポックメイキングな歴史を持ち、またモータースポーツ映画の傑作にも登場した「タグ・ホイヤー モナコ」の歴史と定番モデルをご紹介します。

1969年3月3日、「世界初の自動巻きクロノグラフ」「世界初の角型防水時計」という2つの「世界初」を実現してジュネーブとニューヨークで同時発表されたタグ・ホイヤー モナコのファーストモデル。

 現代クロノグラフの基本機構「振動ピニオン」を開発したことで1887年に「世界初」の称号を最初に手にした創業者エドワード・ホイヤー。それ以外にもタグ・ホイヤーには時計の歴史の中で数々の世界初に輝いていることは、第5回でお伝えした通りです。

 しかし1モデルで2つの「世界初」の栄誉を持つ腕時計として腕時計の歴史に燦然と輝き、さらに華やかなエピソードで彩られているのが今回ご紹介する「タグ・ホイヤー モナコ」です。このモデルを企画したのはモナコと同じ、後にタグ・ホイヤーの4代目社長となるジャック・ホイヤーその人です。「モナコ」のという名称は、もちろんモナコ王国で開催されるF1のモナコGPにちなんだものです。

2つの「世界初」に輝くクロノグラフ

モデル名の由来となったF1モナコGP。この公道サーキットでは数々の伝説が生まれてきました。現在もタグ・ホイヤーのアンバサダーである故アイルトン・セナの伝説もこの場所から始まりました。写真は2011年。

 「世界初」のひとつが、クロノグラフなのに「自動巻き」であること。1969年という年は時計愛好家の間では「自動巻きクロノグラフの年」として知られています。この年、まるで奇跡のように各社から競って自動巻き機構を搭載したクロノグラフモデルが発表されたからです。この「世界初」という栄誉に輝くクロノグラフがどの会社のどのモデルかについては諸説あります。しかしこのモデルは間違いなく、そのひとつなのです。

 これ以前のクロノグラフはすべて手巻きでした。通常の時計メカニズムに加えてストップウォッチ機構を搭載するクロノグラフのムーブメントは部品点数も多く構造も非常に複雑でサイズも大きく厚いものです。

 タグ・ホイヤー モナコのファーストモデルに搭載された「キャリバー11」というクロノグラフムーブメントは、タグ・ホイヤーをはじめこのムーブメントの共同開発に当たったブライトリング、ハミルトン、デュボア・デプラの技術者たちはある工夫で、この問題を解決しました。そして誕生したモデルのひとつがこのファーストモデルだったのです。

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