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見られたくないデータは死んでも隠し通したい! 古田雄介の「恥よ! 墓へ!」第20回

スマホやPCのデータを完全消去するのが不可能な時代がきたかも

2017年05月07日 17時00分更新

文● 古田雄介

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デジタル機器の処分なら本体データの上書きを

 デジタル機器を処分する際、中身を初期化するのは常識といっていいでしょう。クレジットカードや電話番号、恥ずかしいデータなどを一度でも保存したことがあるならなおさらです。

 ただ、表向き中身が空になったからといって、もう安全と判断するのは危険です。

 パソコンでいえば、クイックフォーマットで手早くドライブ内を空にできますが、あれはファイルの“名札”を削除しただけです。本体は別のファイルに上書きされるまで丸々残っているので、そのままの状態では簡単に復元できてしまいます。なので本体も手にかける通常のフォーマットを選んだほうがいいですが、どうせ時間をかけるなら、空の記録領域に上書きを施す「cipher」をコマンドプロンプトで呼び出して処理したり、完全消去ソフトを使ったりするほうが確実です。

 スマホでいえば、暗号化していない機種では、工場出荷時に戻すだけだと復元の可能性が大きく残ります。アクセス可能な全領域を上書きしたり、暗号化したうえで初期化したりといった工夫する意識が必要でしょう。また、おサイフケータイ機能を使っている場合、その使用履歴はFeliCaチップに記録されるので、通常のストレージとは別個の処理を忘れてはなりません。

 そうやって機器やストレージの特性を把握して十分な処置を施せば、ようやく安心できる……かといえば、そうでもないかもしれない。

 先日、デジタル遺品研究会ルクシーの共同運営者であり、データ復旧技術者の阿部勇人さんからそんな話を聞きました。「現在の技術では、データの完全消去は無理ではないか」とのことです。

今週のポイント

チップオフはSSDなどのNANDチップを物理的に取り外すこと。チップを専用の解析ツールに組み込むことで、OS上からはアクセスできない領域まで触れられる場合もある

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