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業界人の《ことば》から 第572回

いずれなくなるはずのプリンター、エプソンはなぜそのヘッドに積極投資するのか

2024年01月08日 08時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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今回のひとこと

「モノを形にできるのは人の技能である。ロボットやAIが発展しても、すべてをとってかわることはない。技能は生命線であり、自己研鑽を続けていくことになる」

(秋田エプソンの平田潤社長)

エプソンはプリントヘッドの投資に積極的だ

 秋田県湯沢市にある秋田エプソンは、エプソン製プリンタに搭載されるプリントヘッドの生産や、ORIENT STARブランドの時計およびムーブメントの生産を行っている拠点だ。

 2023年12月には、10号棟を竣工。PrecisionCoreプリントヘッドの増産に対応することになる。2030年にはフル稼働を予定しており、秋田エプソンにおけるプリントヘッドの生産能力は、現在の3倍に拡大することになる。

秋田県湯沢市にある秋田エプソン

 セイコーエプソン 執行役員 プリンティングソリューションズ事業本部長の𠮷田潤吉氏は、秋田エプソン10号棟の竣工を、「2025年以降の事業成長を見越した投資」と位置づける。

竣工した10号棟の様子。これから生産設備が導入される

 エプソンは、プリントヘッドの投資に積極的だ。

 PrecisionCoreプリントヘッド生産の前工程を行う長野県塩尻市の広丘事業所9号館では、3年間で約230億円の投資を行っているところであり、新設した秋田エプソン10号棟では、それを引き継ぐ後工程を担当。建屋の建設に約35億円を投資し、今後、生産設備に投資する。この投資額については明らかにしていないが、大規模な投資額になるのは確かだ。

秋田エプソンの全景

竣工した秋田エプソン10号棟の外観

2023年12月22日に行われた10号棟の竣工式の様子

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