厚さ13mm、重量49g 業界最軽量のGPSウォッチ
8月8日、エプソンがGPSセンサーを内蔵した、薄型スポーツウォッチ「Wristable GPS」シリーズを発表した。ラインナップは「SS-700」「SS-500」「SS-300」の3製品。SS-300は赤と黄緑の2色展開。発売は8月23日で、価格はオープン、直販価格は2万4800円から。
最大の特徴はGPSユニットが小型であること。通常は文字盤の下にユニットを埋め込むため厚みが出るが、それをLCDの背面に内蔵し、薄型化を実現した。ミドルクラスモデル「SS-500」の厚みは13mm、重量は約49gと薄型・軽量。競合製品は軽くても50g台なので、アスリートタイプのGPSウォッチとしては業界最軽量クラスといえる。
GPS・加速度・心拍、センサーはすべてエプソン独自開発
バッテリー持続時間は約14時間
センサーはGPS、加速度、心拍の3種類、すべてエプソンの独自開発。トンネルなど、GPS圏外でも、ラップタイムと走行距離が測定できる「ストライド(歩幅)センサー」機能は、加速度とGPSのデータを照合して歩幅を出す独自仕様を採用した。あらかじめ歩幅を設定したり、シューズのインソールにセンサーを入れたりする必要がなく、面倒がない。
WAAS(MSAS)による広域補強には対応しないが、同社独自の測位値補正技術により、地図上にデータを反映した際、道とのズレが少ない、精度の高いGPS測位が可能になっているという。また、バッテリー持続時間が14時間(GPS測位時)と長いことも特徴だ。製品の開発者は全員が現役のランナーで、開発にあたってはランナーに望まれていた「軽量・高精度・バッテリー長持ち」の3条件をそろえることに尽力している。
機能はランニング向けのものを装備
パソコンとつなげばGPSデータが地図になる
機能としては、km単位の等間隔でラップをとる「オートラップ」、信号で止まったときに測時を一時停止する「オートポーズ」、また消費カロリー計算など、ランニング向けのものをそろえた。防水機能も備え、水上スキーなどマリンスポーツでも使用可能。上位機種は、胸に巻きつけて使う「ハートレートセンサー」による心拍トレーニングにも対応する。
データは、パソコンとUSB接続することで、公式Webアプリ「NeoRun」に転送できる。距離・スピード・ラップを確認できるほか、走行記録はBingによるオンラインマップで取得できる(地図のURLを取得してブログに貼りつけることも可能)。
エプソンの粋を集めたスポーツウォッチ
“MADE IN 東北”で新たな市場ねらう
今回のGPSウォッチはヘッドマウント型ディスプレイ「MOVERIO」(関連記事)を手がけたウェアラブル事業によるもの。エプソンは世界初のクオーツ式(電気式)腕時計を開発したメーカー。その「腕時計」を核に、携帯電話に搭載してきたGPS技術、プロジェクターに使われたセンサー技術と、エプソンの技術を結集させたものがWristable GPSという。
日本をはじめとする先進国の高齢化にともない、スポーツ・アウトドア・ヘルスケア市場への期待は大きい。製品はすべて東北・秋田にあるエプソンの工場で生産される、いわば“純日本製”のプロダクトとなる。エプソンでは、これまでに多くの製品分野でつちかってきた繊細な技術を活かし、新たな市場を獲得していきたいとしている。
SS-700S | SS-500R | SS-300R | SS-300G | |
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厚み | 15.7mm | 13mm | 14.7mm | |
重量 | 61g | 49g | 59g | |
防水レベル | 10気圧防水 | 5気圧防水 | ||
バッテリー |
14時間/5週間(GPS測位時/時計のみ使用時) | |||
ハートレート (心拍測定) |
○(ユニット同梱) | ○(ユニット別売り) | × | |
ストライド (歩幅検出) |
○ | × | ||
直販価格 | 3万4800円 | 2万9800円 | 2万4800円 |