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kintoneパートナーセレクション 第7回

開発性の高さや操作性、100種類以上のサービスにつなげる接続性が魅力

kintoneをASTERIA Warpでつなぐデータ連携のメリットとは?

2023年04月07日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

提供: アステリア、ニックス

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 サイボウズのkintoneと100種類以上のサービスをつなぎ、データ連携できるのが「ASTERIA Warp」だ。ここではkintoneとASTERIA Warpを組み合わせることで、どんなDXが実現するのか、その背景から導入効果までをkintone SIを手がけるニックス ICT利活用推進営業部 高橋康彦氏とASTERIA Warpのパートナーセールスを担当するアステリア 営業本部 リージョナル営業部 山脇宏夢氏にお話を伺った。

ASTRIA Warpにも、kintoneにも強いニックス

 サイボウズのkintoneはノーコード・ローコードの業務アプリ開発プラットフォームだ。2011年にローンチし、2万7500社が導入、2022年の連結売上高は100億円を超えるほどの人気を集めている。プログラミング言語の記述なしにアプリを開発できるのが特徴だが、業務フローの中で活用するためには、さまざまなサービスやツールを連携させる必要が出てくる。そのサービスがkintone連携のプラグインなどのオプションを用意していれば、容易につなぐことができるが、用意されていないことも多い。

 そんな時に活躍するのがアステリアが提供するASTERIA Warpだ。ASTERIA Warpはノーコードで100種類を超えるサービスやツールと接続できるのが特徴。業種を問わず、9800社以上の企業が導入しており、広く活用されている。このASTERIA Warpとkintoneの接続で多くの実績を持つのがニックスだ。現在は、アステリアのサブスクリプションパートナーであり、kintoneのSIパートナーでもある独立系のSIベンダーだ。

 ニックスは長らく大手SIベンダーの下請けをしていたのだが、2014年頃から直販ビジネスの方に舵を切り、kintoneやASTERIA Warpなどのサブスクリプション系のサービスを扱い始めた。300万~1000万円という規模感の案件を多く手掛けているという。

ASTERIA Warpなら、オンプレともつなげるし、仕様変更も吸収できる

 kintoneは簡単なアプリであれば、導入企業の担当者が自分で作ってしまうこともできる。しかし、販売管理システムのような大掛かりなアプリを作る場合は、マスター連携や外部システムとの接続が必要になってくる。kintone初心者だと、なかなかそこまでの作りこみは難しい。そんな時に、ニックスがASTERIA Warpを活用した開発を請け負い、顧客の要望に応えているという。

「kintoneに限らず、クラウドサービスはサーバーサイドの処理が組めません。たとえば、スケジュールで自動実行したり、大規模なデータ連携をしたり、データを一括で洗い替えるようなバッチ処理ができないのです。無理矢理にJavaScriptで機能を作っても、夜中に誰かがボタンをクリックしてブラウザ上で一括処理させるというのもかなりハードルが高くなります。その点、ASTERIA WarpでAPIを使えば、簡単に一括処理を組むことができます」(高橋氏)

ニックス 高橋氏

 ASTERIA Warpはサーバー上で動作するので、オンプレミスのソフトウェアとクラウドを直接接続できるのが特徴だ。オンプレミスとクラウドがつながっていない場合、たとえば、顧客情報を登録するだけでも、どちらに入力すればいいのか悩んでしまうところだ。必要に応じて両方に登録すればいいと考える人もいるかもしれないが、人の手による二重入力はコストも時間もかかるし、ミスも発生する。

 このような連携システムをスクラッチで開発しようとすると大きなコストがかかってしまうし、担当者や外注するSIベンダーに属人化してしまうという課題がある。しかし、kintone×ASTERIA Warpを組み合わせれば、期間もコストも抑えて実現することができる。

「SIの立場から見ると、ASTERIA Warpにはkintoneなどのアダプターがあり、そこで仕様の変更を吸収してくる点も大きなメリットと言えます。相手側のシステムがバージョンアップしても、開発した資産を使い回せるので、トータルコストを安く抑えられるのです」(高橋氏)

安価なサブスク版が出てkintoneと組み合わせやすくなった

 ノーコードツールであるASTERIA WarpはGUIで開発できるのがウリ。kintoneと連携するコンポーネントやデータの処理に関するコンポーネントを並べるのだが、ASTERIA Warpはこのコンポーネントを豊富に用意しており、機能が集約されているので、結果的にコンポーネントの数が少なくて済む。コンポーネントが少なければ、処理の設定における作業工数も抑えられるし、開発生産性も高まる。

「製品を比較していただく際のポイントになっているのが連携可能なサービスの数です。お客様自身だけでなく、SIベンダーさんに開発ツールとして使っていただくという側面も強いので、開発性の高さや操作性に加えて、接続可能なサービスの数が100種類以上と多いのが差別化ポイントです。ASTERIA Warpだと、周辺のシステム環境が変わっても、柔軟に対応できるというところが大きく評価されています」(山脇氏)

アステリア 営業本部 リージョナル営業部 山脇宏夢氏

「SIベンダーとしては、ASTERIA Warp Core/Core+といった手ごろなサブスクリプションプランが出てきたのもうれしいところです。kintoneと一緒に導入する時には、月額3万円、6万円という価格感がぴったりです。初期費用が掛からないのも導入しやすいポイントですね」(高橋氏)

 接続先のアダプター数によって料金が変わるので、頻度が少なければアダプターを使わずにASTERIA Warpの標準機能であるREST APIのコンポーネントでつないでしまうという選択肢もある。この辺りは、顧客の投資効果を高めるために、協議することもあるという。

kintone×ASTERIA Warp×SmartHR/MOBI VOICEで課題を解決!

 ニックスがkintoneとASTERIA Warpを組み合わせて、業務課題を解決した事例を2つ紹介しよう。

 飲食事業を中心にアミューズメントやブライダル、ホテルなどの事業を展開するDDホールディングスは、繁忙期には月に700人も採用することがあり、紙と郵送のアナログ手続きが課題になっていた。手続きに時間がかかるだけでなく、その間に入社を辞退されてしまうこともあったのだ。郵送されてきた書類を人事システムなどに入力する業務負荷も高く、手作業なのでミスも発生していた。

 そこで、kintoneをASTERIA Warp Core+でクラウド人事労務ソフト「SmartHR」と連携させた。入社手続きをペーパーレス化することで、コストと入力ミスを軽減。最短1日で入社手続きが完了することになったという。

DDホールディングスにおける「SmartHR」との連携

 自動車の事故・故障に関するロードサービスを提供する日本ロードサービスは非常時などに入電が急増しても、事業を継続するために電話の問い合わせ対応の自動化・効率化を進めており、AI電話自動応答サービス「MOBI VOICE」を導入した。入電があると、MOBI VOICEから送られてくるメールの内容をkintoneに登録して管理していたのだが、この手間が担当者の負担になっていたそう。

 そこで、kintoneをASTERIA Warp Coreで「MOBI VOICE」と連携させたのだ。自動応答することで毎月42時間以上の電話対応時間を削減したうえ、メールを検知すると自動的に内容をkintoneに登録できるようになったという。

日本ロードサービスにおける「MOBI VOICE」との連携

 このように、ニックスはkintoneとASTERIA Warpを活用する案件を多数手がけており、豊富なノウハウを蓄積している。さらに、顧客の要望に応えることで新たな経験を得ると、そのノウハウを他の顧客に共有しているという。顧客は最先端の恩恵を受けられるし、SIベンダーは案件を得られるし、kintoneもフィードバックを得られるなど、よいループが回っているのだ。

データ連携で全体最適を目指すお手伝いをしたい

 現在、kintoneのパートナーはたくさんあるが、ニックスはASTERIA Warpや他のクラウドサービスのパートナーでもあるので、組み合わせに関して精通しているのが強みになっている。「kintoneとASTERIA Warp、そしてクラウド人事労務サービスのSmartHRなど、すべてのパートナーになっているところは、うちだけだと思います」と高橋氏。

 最後に、アステリアとニックスにそれぞれ今後の展望について伺った。

「データを連携する重要性は浸透していると思いますが、RPAを使ったり、多数のプラグインを組み合わせたりして実現しようとすると、結局、人手をかけているときの操作時間とあまり変わりません。ASTERIA WarpでAPI連携させれば、数秒で数百件数千件のデータを処理できます。この点をシステム部門やベンダーだけでなく、ユーザー部門の方にもアピールしていきたいと考えています」(山脇氏)

「データはできるだけシステマチックに流れているほうがよいと考えています。例えば、お客様にある商品を販売する際に、お取引先をマスター化することで、販売履歴を関連レコードで確認できるようにしたり、見積情報で入力した金額が、受注情報、請求情報と同じデータを引き継いでいけるとデータに一貫性が生まれます。この辺りをアピールしながら、kintoneを活用した個別最適とASTERIA Warpを活用したデータ連携による全体最適を同時に目指すお手伝いをしていきたいと思っています」(高橋氏)

■関連サイト

(提供:アステリア、ニックス)

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